中2の一日は、こんなにも厄介で輝いている
8時24分、七海は保健室に登校し、10時24分、貴大は初恋に落ちる。
クラス38名それぞれの顔と心の内がくっきりと見える、等身大の学級日誌のような物語。
2年C組38名のクラスメイトたちの心理や状況をクローズアップしていく物語です。
一日の始まりから終わりまで、それぞれの視点から個別の日常を描きます。
どこにでもいそうな中学生たちの日常を、教室ひとりひとりの独白で綴っていく構成。
平凡な一日でも事情を抱えた生徒たちの葛藤を描くのが独特の趣向の連作掌編集です。
章や登場人物によって枚数が異なり、語り手も次々と代わって話が進んでいきます。
前の語り手が違う語り手の中で再登場してクラスの枠で時間を追って進む感じです。
現在の中学生が学校で抱える悩みや、思春期の心の揺れを等身大で描いています。
斜に構えたり、突っ張ったり、考え過ぎたり、ひがんだり、冷めてみたり、夢見たり。
こんな子もいる。あんな子もいる。どこにでもいるような子どもたち。
何気ない一日が過ぎていくけれど、同じ繰り返しのようで二度とない一日。
多感なこの時期の揺れ動く想いが 懐かしくも愛おしいです。
閉塞感に苛まれていたら 「自分だけじゃないんだ」 と元気が出るかもしれません。
「市立第二中学校2年C組10月19日月曜日」椰月美智子さんの、
今、どこか窮屈な思いをしている思春期の子たちに読んでほしい物語です。

楽天からも購入できます。
「市立第二中学校2年C組10月19日月曜日」椰月美智子
「市立第二中学校2年C組10月19日月曜日」椰月美智子
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