第147回芥川龍之介賞(以下、芥川賞 )と直木三十五賞(以下、直木賞)の選考会が7月17日、東京都内で行われ、芥川賞は鹿島田真希(かしまだ・まき)さんの「冥土めぐり」(文芸春号)、直木賞は辻村深月(つじむら・みづき)さんの「鍵のない夢を見る」(文芸春秋)が選ばれました。鹿島田さんと辻村さんは同日そろって会見し、受賞の喜びを語りました。
4度目のノミネートでの受賞となった鹿島田さんは、「他の作品に比べて本当に何度も書き直して時間も労力もかかっていたので、この作品でとりたいなと思っていました」と念願の芥川賞受賞の喜びました。これまでに、三島由紀夫賞と野間文芸新人賞も受賞していますが、「デビューしてから10年以上、経ってますし、苦節14年というような気持ちがある」と苦笑。「受賞した時はびっくりしました。夫と一緒に受賞の電話を待っていたんですが、聞いた瞬間に夫は泣いてました」と笑顔で語り、夫からは「今まで一緒に緊張してきて、本当につらかったけど良かったね」と祝福されたことを明かしました。
一方の辻村さんは、3度目の正直で直木賞を獲得。「最初に候補になった小説も、昨年候補になった小説も、書いたときは自分の最高傑作だと思っていて、どれだけ頑張っても、もう飛距離は出せないと思って出した作品だったが、そう思った先に新しい世界が見えるという経験をへて、今回の作品だったのでとてもうれしく思っています」と喜びを語り、「今はまだ考えられないようなことを、自分が書けるのかもしれないなと思って、書き続けるように背中を押してもらったのかなと思っています」と笑顔を見せました。
また、辻村さんは「今回の受賞は読書に連れてきてもらったと思っています」と語り、「これまで、自分のことが書いてあるとか、自分のために書いてもらったと幸福に勘違いさせてもらいながら、今日まで本を読んでこられた。自分の話も、そういうふうに、誰かが自分のための話だというふうに勘違いして読んでくれたら、こんなにうれしいことはない」とほおを緩め、「今回受賞できて、これからも作品を送り続けなさいということだと思うので、自分が本の世界に恩返しをしていけるような、とてもうれしい気持ちでいます」と喜びをかみしめていました。
受賞おめでとうございます。これから読むので楽しみにしています。
「冥土めぐり」鹿島田真希
裕福だった過去に執着し、借金を重ねる母と弟。一族の災厄から逃れたはずの奈津子だが、突然、夫が不治の病にかかる。だがそれは、奇跡のような幸運だったー夫とめぐる失われた過去への旅。第147回芥川賞候補作。

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「冥土めぐり」鹿島田真希
「鍵のない夢を見る」辻村深月
望むことは、罪ですか?彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい。そんな願いが転落を呼び込む。ささやかな夢を叶える鍵を求めて5人の女は岐路に立たされる。待望の最新短篇集。

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第147回芥川賞受賞
鹿島田真希 「冥土めぐり」
他鹿島田真希の受賞作品
第35回文藝賞受賞(1999年) 二匹
第18回三島由紀夫賞受賞(2005年) 六〇〇〇度の愛
第29回野間...
2012年、今年も二回目の「芥川龍之介賞」と「直木三十五賞」がやって参りました。第147回芥川龍之介賞と直木三十五賞が決定いたしました。選考委員会は、平成24年7月17日(火)午後5時
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