「マスカレード・ホテル」東野圭吾

待望の新ヒーロー誕生！　極上の長編ミステリ
都内で起きた不可解な連続殺人事件。
次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京らしい。容疑者も、ターゲットも不明。
事件解決のため、一人の男が選ばれた。完璧に化けろ。決して見破られるな。
殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し・・・。
１行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。

一流ホテルのフロントスタッフで、仲間からも客からも信頼の厚い女性・尚美。
一課で若手の優秀な刑事・新田がホテルマンに扮し潜入捜査を行うことになります。
最初はいがみ合いつつも互いに認め合い、協力して真相解明に取り組んでいきます。
一流ホテルでもいろんな困った人たちが訪れるんですね。
一風変わった出来事に快刀乱麻の如く明快にトラブルを解決していく様は圧巻。
ホテルのカスタマーサービスのあり方、クレーマー対応の事例を提示。
配属された刑事が、ホテルマンとして成長していく過程を丁寧に描いています。
ホテルでのエピソード、トラブルが事件解明のヒントにつながる構成は見事です。
犯人逮捕とホテルの安全という論理のせめぎ合いも効果的に生かされています。
ホテルマンの仕事の大変さもわかって、勉強になりました。
異なる職種。ホテルマンと刑事、プロ同士のプライドをかけた仕事ぶりも見所です。
事件を一話完結型のように描き、人間ドラマを濃くして連続ドラマのような感覚。
所轄の刑事である能勢が好印象。キャラクターとして際立っています。
ホテル薀蓄や暗号謎解きも、驚きがあって面白かったです。
一体誰が犯人なのか？と考えると、みんな怪しく見えてしまう登場人物たち。
最後に意外な犯人、意外な動機、意外な犯行対象が明らかになります。
４つの出来事の繋がり方は意外性がありましたし、犯人も予想外。
無駄のない伏線。結末も見事でこれ以上ない良い展開で面白かったです。
仮面舞踏会「マスカレード・ホテル」東野圭吾さん、ラストまで楽しめました。

マスカレード・ホテル 東野圭吾

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