確かなのは、僕らは今を生きるしかないということだ。
社会人三年目―中学の同級生との十年ぶりの再会。
それが、僕らのせつない恋の始まりだった…。
あのとき始まったことのすべてを大切にしたい。
中学の同級生との再会から、僕の中でふたたび何かが動きはじめた……。
ノスタルジーとせつなさ迫るラブ・ストーリー。
社会人3年目、営業マンとして働く僕は、
中学時代の同級生、石井さんと10年ぶりに再会した。
奈良の東大寺を訪れた修学旅行や、複雑な気持ちを秘めて別れた卒業式。
当時の面影を残す彼女を前に、楽しかった思い出が一気に甦る。
そして新たに芽生えた思い…。
しかし、一夜を共にした僕らに待っていたのは意外な結末だった―。
きらきらと輝いていたあの頃を丹念に掬い上げた、
切なくて甘酸っぱい最高純度のラブストーリー。
中学生時代の仲のいい同級生の男女が、十年の時を経て再会する筋立て。
いかにもドラマなんかでよくある、どちらかと言えばありふれたストーリーです。
でも読んでるうちに引き込まれてしまい、一気に読み終わってしまいました。
サラリーマンである主人公の岡田君が、あるきっかけで中学生当時同じクラスで、
いつも仲が良かった石井さんと再会する事から話が動き出します。
現在と中学生の頃の思い出等を交えながら、進んでいく物語です。
そこは感情の動きを表す激しい語句の応酬がない、穏やかで安心できる空間。
淡々と時にはユーモア溢れる軽快な言葉のやりとりで綴られています。
章ごとに語り手が変わり時間も違っていますが、それらが幾重にも折り重なり、
まるでその言葉のひとつひとつが、互いに化学反応でも起こしたかのように、
主人公たちのまっすぐで正直な想いを読み手の心にストレートに伝えてきます。
自分の中学時代の想い出を掘り起こされて、懐かしさとちょっぴりの切なさ。
この主人公たちの心に寄り添い、エールを贈りたくなりました。
ベタで陳腐になりそうな設定も作者「中村航」というフィルターを通すことによって、
こんなにも爽やかに、かつ切なく描き出すことが出来るのですね。
わたしも好きな人のパーカーのフードに、何か入れたいです。
大切な「あのとき始まったことのすべて」中村航さんの面白く切ない作品です。


楽天からも購入できます。
「あのとき始まったことのすべて」中村航
文庫「あのとき始まったことのすべて」中村航
「あのとき始まったことのすべて」中村航
- http://1iki.blog19.fc2.com/tb.php/2074-d010d4d4
トラックバック
あのとき始まったことのすべて 感想:この著者の本ははじめてなのですが数ページ読ん
中村 航
主人公は社会人になって数年の技術営業職。仕事も一人でこなせるようになって落ち着いてきたころ、ふとしたきっかけで中学時代に仲の良かった女友達と再会
中村 航
主人公は社会人になって数年の技術営業職。仕事も一人でこなせるようになって落ち着いてきたころ、ふとしたきっかけで中学時代に仲の良かった女友達と再会
あのとき始まったことのすべて作者: 中村 航出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/03/26メディア: 単行本 中村さんの新刊を読みました。中村さんの本は
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
&...
トラバありがとうございました♪