父の転勤に同行せず、神楽坂の祖母と暮らすことを決めた中学二年生の望。
包丁も持てない祖母は面倒くさがりで、気が強くて、決して世話好きには見えない。
でも「お蔦さん、お蔦さん」と誰からも頼られるような、不思議な吸引力を持っている。
そんなお蔦さん目当てに人が集まってくるから望も何かと忙しくて…。
お蔦さんや学校のみんなに振り回されつつも少しずつ成長していく望の、
あたたかくて少しだけ波乱のある爽やかな日常。表題作を含む六編収録の短編集。
父親の転勤で、中学2年生の滝本望は神楽坂に住む祖母のお蔦さんと同居することに。
我がままで気が強くて、でもとても頼りになる元芸者の祖母のお蔦さん。
妙に人望があって家はご近所のたまり場。おかげで望もいろいろと巻き込まれます。
お蔦さんが料理はまったく駄目なので、台所を仕切るのは男子の望に。
料理が上手なことが幸いとなって、あちこちで重宝されています。
お蔦さんの人柄。芸者の経験が活きて、ちゃきちゃきの江戸っ子気質で小気味がいい。
孫の望もあれこれと青春していますが、ここぞという時の動きは目を見張るものが。
腹が据わっていて、正しいことをするよりも人を傷つけないように思いやっています。
若いのにここまで考えられるすごさ。友達にこんな人がいると幸せかもしれないです。
読みやすくて一気に読んだけど、短編集なので1話づつ読んでも楽しめます。
「無花果の実のなるころに」西條奈加さんの続きが読みたいと思わせる一冊です。
目次・罪かぶりの夜/蝉の赤/無花果の実のなるころに/酸っぱい遺産/果てしのない嘘/シナガワ戦争

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「無花果の実のなるころに」西條奈加
「無花果の実のなるころに」西條奈加
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