廃線が決定したローカル鉄道を救いたいと、
退職した上に会社を創ってまで田舎町にやって来た三人組。
MBA取得の才色兼備銀行ウーマン。町工場相手に良心的融資を
実践する銀行支店長。鉄道マニアのリタイア官僚。
廃線が決定したローカル鉄道を救うため、三人が株式会社ドリームトレインを興した。
奇想天外、破天荒な方法で田舎町に旋風を巻き起こす、ロマンチック・ビジネス・ストーリー。
最初は戸惑っていた町民たちも、次々繰り出される彼らの奇抜な計画に、
気づけばすっかり乗せられて。
なぜか再建を渋る町長の重い腰は、果たして上がるのか。
リタイヤを前にした男女が、知識と経験と技術を生かし、再度夢とロマンに人生をかける。
元気が出るロマンチック・ビジネス小説!
舞台は広島県山花町の第三セクター経営の山花線。過疎化が進んで輸送収入は頭打ち。
経費圧縮でも毎年三千万円の赤字を出し続けて自治体により廃線が決まっている鉄道。
そこに都市銀行の支店長・河原崎慎平と、河原崎の部下で同支店のバンカー、
MBA取得の才女・深田由希に、中央官庁の元官僚であり鉄道オタクの田中博が集結。
金有り、アイディア有りのお節介三人組が「(株)ドリームトレイン」を立ち上げます。
山花鉄道を存続させるため、頼まれてもいないのに次から次と奇策を打ち出します。
さまざまなアイディアを出し合い住民を巻き込みながら再建していくストーリーです。
三人組はどんな夢を乗せて列車を走らせるのでしょうか。
本作の魅力は、一見実現にはほど遠いと思える奇抜なアイディアでありながらも、
今までの人脈やインターネットをフルに活用し実現していくという部分だと思います。
確かに奇想天外ではあるけれど、決して実現不可能ではない気がします。
フィクションなので、多少ご都合主義的な部分があることは否定しませんが、
登場人物が前向きで結果として笑顔になる人が増えていくのは読後感の良いものです。
私だったらこんなアイディアでと、参加している自分が楽しかったです。
また、経済小説としての一面もあり、経営で収入を増やしていくというリアルさも。
全ての案について収支や費用対効果が検証されていることにも好感が持てます。
解説にはジャズのスタンダード・ナンバー「A列車で行こう」が紹介されています。
軽快な曲でデューク・エリントン楽団のテーマ曲としても有名です。
もうひとつ思いついたのは、ゲームの「A列車で行こう」でした。
普段から「何かをしよう!」と思いながら何も出来ないでいる私。
D列車のDはDREAMのD。気持ちを前向きにさせてくれる作品でした。
DREAM「D列車でいこう」阿川大樹さんの元気になれる小説です。


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「D列車でいこう」阿川大樹
「D列車でいこう」(徳間文庫)阿川大樹
「D列車でいこう」阿川大樹
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