主人公は36歳のふたりの女性。
政治家の夫と幸せな家庭を築き、さらに絵本作家としても注目を浴びる主婦の陽子。
家族のいない天涯孤独な新聞記者の晴美。
ふたりは親友同士であるが、共に生まれてすぐ親に捨てられた過去を持つ。
ある日、「世間に真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状と共に、
陽子の5歳になる息子が誘拐された。真実とは一体何なのか ……。
晴美と共に「真実」を求め奔走する陽子。
すると、陽子の絵本のファンだという一人の女性の存在が浮上する。
犯人はその女性なのか、それとも……。人は生まれる環境を選べない。
しかし、その後の人生は自分の意思で選び、自分の手で築いていくことができる。
犯人の示す「真実」が明らかになるとき、
ふたりの歩んできた境遇=人生の意味が改めて浮き彫りになっていく。
毎日放送のスペシャルドラマ用の書き下ろし。容量小さめですが、よくできています。
漢字2字の題名で初期のような重たく不幸な話を想像しましたが、だいぶ違いました。
今回は犯罪が取り上げられていますが、前作同様の「メロドラマ」系テイストです。
4部構成で1~3部は特に面白く感じないまま、ただスラスラ読めてしまいました。
人間関係の奥深さがあまり感じられないので、いつものらしさが無いかなあと。
なぜ、そういうことをするのか?。なぜ、そう解釈してしまうんだろう?。
そう思える部分が多々あったため、あまり登場人物に共感できませんでした。
いまひとつかなって思いながらも4部はかなり面白かったです。
ただ読み終わった後に感じる痺れる感情というものがなく、疑問が多く残っています。
話が面白くなるまでに時間がかかりすぎている気もしますが前作よりは印象的な内容。
ご都合主義っぽい所が賛否分かれるとは思いますが、無駄がないそれなりの構成です。
ちょっとしたミス、意地悪、善意のすれ違いが登場人物の人生を狂わせる事件に発展。
張り巡らされた伏線がラストに収束するのが、作品の特徴と快感ですね。
絵本『あおぞらリボン』付きの方が、この話をより深く楽しめると思います。
二人の「境遇」湊かなえさんの絵本付き小説。ドラマ原作も新たなコラボの試みです。
2011年12月3日に朝日放送創立60周年を記念して放送され、平均視聴率16.2%
(ビデオリサーチ調べ)を記録したスペシャルドラマ『境遇』は2012年2月22日DVD化。
キャスト:陽子を松雪泰子 晴美をりょう
沢村一樹 東幹久 田畑智子/岸部一徳 白川由実 谷村美月 市川由衣
芦名星(友情出演) 名倉潤(特別出演)/西村雅彦 野際陽子 いしだあゆみ
演出は、映画「ホワイトアウト」(2000年)や「沈まぬ太陽」(2009年)で
日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した名匠・若松節朗。
脚本は人気ドラマの脚本や漫画原作者としても知られる矢島正雄が担当。
湊かなえが生み出した重厚な人間ドラマを余すところなく映像化。
特典映像:
①「もうひとつの境遇」6分×7本・・・ダンカン主演のスピンオフドラマ
②オリジナルアニメーション『青空りぼん』約12分・・ドラマ本編に登場する絵本「青空りぼん」約12分
③メイキング
④松雪泰子×りょう×湊かなえ 特別対談
⑤制作記者会見、PR集 など


楽天からも購入できます。
「境遇絵本付特別版」湊かなえ
「境遇」湊かなえ
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