四十三歳の宇津井茂美はいまだに男性経験がない。
自分と似た境遇の伯母が入院してしまい、独り身の行く末を案じていた。
両親が伯母を見舞いに行ったため、代わりに父親の知人を接待することに。
おくての茂美は、訪ねてきた三人が素敵な男性だと分かり、
狼狽えるが…(「小包どろぼう」より)。
大人の恋愛は複雑で苦い。だけど、どこか甘い。
心にしみわたるアラフォー女性への応援歌。
目次 グラン・トゥーリズモ/誦文日和(ずもんびより)/寄り目インコズ/
小包どろぼう/孑(ぼうふら)踊/努力型サロン
各短編のタイトルが二文字尻取りで繋がっています。
孤独な中年女性の日常と、性に対する欲求を描いた短編集。
受け取るはずだったと思い込んでいる設定の小包どろぼうが楽しめました。
あらかじめどの女にも小包という女性らしさのホルモンや結婚相手が用意されていて、
届く時期も決まっていると思っているので、自分の分がないのは納得できなくて、
恋愛、結婚、出産をした女たちはみんな小包を掻っ攫った泥棒と考えてしまうお話。
どの作品も女性の寂しさ、嫉妬、性への欲求がリアルに表現されています。
個人的には、登場人物にさほど感情移入できなかったのが少し残念。
作者ならではの描写のうまさや、遊び心に惹かれました。
これらの内容は独身女性には特にシビアに感じてしまうかもしれないですね。
それぞれの「玩具の言い分」朝倉かすみさんの読後にほろ苦さを感じる一冊です。

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