粋な提案 |「謎解きはディナーのあとで２」東川篤哉

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「謎解きはディナーのあとで２」東川篤哉

令嬢刑事麗子と風祭警部の前に立ちはだかる事件の数々。
執事の影山は、どんな推理で真相に迫るのか。そして、
「影山は麗子に毒舌をいつ吐くの？」
「二人の仲は、ひょっとして進展するのでは？」
「風祭警部は、活躍できるのか?」など、
読みどころ満載な上に、ラストにはとんでもない展開が待っていた！？―。
毒舌執事＆令嬢刑事の活躍を描く、第２弾！
今年の本屋大賞第１位を獲得し、ミリオンセラーとなった
『謎解きはディナーのあとで』の第２弾が、早くも刊行です。
ミステリ界の新たな名コンビ（！？）となった毒舌執事と令嬢刑事が、
鮮やかに事件の真相を明らかにしていきます。
宝生麗子は、世界的に有名な宝生グループのお嬢様にして、国立署の新米刑事。
麗子は、上司でかつ風祭モータースの創業者の御曹司である風祭警部と捜査に当たりますが、
真犯人を特定するまでにはいくつかの謎があり、捜査は難航するかに思えます。
そこに現れるのが、宝生家の執事にして、麗子のお抱え運転手である影山です。
「本当は、プロ野球選手かプロの探偵になりたかった」という影山には、
麗子の話を聞いただけで、事件の謎を解いてしまうという眼力がありました。
麗子に向かって時に厳しい毒舌を吐くのが、玉にキズなのですが……。
テンポのいい二人の会話や、風祭警部のミョーな存在感など、
前作同様の楽しさいっぱいの本格ユーモアミステリです。
小説誌「きらら」に連載された5編に、書き下ろしを加えた全6編。
そして、今回のラストでは、とんでもない展開が待っています！
早くも、次が読みたくなる……。

本屋大賞を獲りテレビドラマ化もされた連作短編集の続編です。
前作に続いて実に軽快でとても楽しく、あっという間に読み終えました。
推理小説への真摯さと伏線のセンスが詰まっているユーモアミステリーです。
影山の無礼な毒舌が第１話から炸裂。前作よりややエスカレート気味。
相方、麗子の馬鹿すぎず利口すぎない微妙な知的レベルが絶妙の設定です。
冒頭での何気ないやり取りを踏襲するかのような終盤の回収は気持ちがいいです。
いささか簡単ですが伏線・ヒントがサラリと織り込まれているのもいつもお見事。
第３話で、謎解きを読んでいて丁寧な伏線に思わずうなりました。
八割方推理は出来ていましたが、最後のアレが解けなかったから悔しかったです。
影山同様、犯人の行動に不信を抱いても１００％の正解を出せなかったのが残念。
このお話は見事な構成、伏線であり、短編の見本みたいな出来といえるでしょう。
中にはトリックが苦しいものもありますが短編集でこれだけ笑って唸れるなら満足。
思わずニヤリとなるラストから連載の続く今後に新たな広がりも期待できそうです。
ドラマのアレンジも楽しみつつ、その場面が頭に浮かんでくることも度々でした。
好調「謎解きはディナーのあとで２」東川篤哉さんの楽しみなシリーズです。