どこにでも行ける。その意志さえあれば──。
黄色い日、白い日、赤い日。映画、ロック、火花、そして街。
10歳から19歳まで、誰かにいつか存在した、ある瞬間。
第32回野間文芸新人賞受賞後初の小説作品、新たなる代表作の誕生!
ひとつの物語を20の短編で構成。とても読み易かったです。
馴染みの作風から、自由さや作品から醸し出される不安定感を楽しみながら読みました。
いたって平凡で退屈な日常を主人公の独白で淡々と語っていきます。
主人公は少しパンク?なので起承転結のあるエンタメ系が好きな方には不向きかな。
例えば風景描写を脳内映像で再現して、その出来上がった絵を楽しめる方ならば、
良かったと感じられる作品といえるかも知れないような印象。
ランダムな時系列はコルクボードに貼ったスナップ写真を一枚一枚見つめるような感じ。
タイトルも映えています。緑色を決してビリジアンと書かないのが良いです。
その緑色を基調として沢山の色を散りばめる遊び心も良かったです。
柴崎友香さんは本当に映画やカメラ、絵などが大好きみたいですね。
それがさりげなく書かれているのですが、大好きパワーがジンと伝わりました。
グリーンでなく「ビリジアン」柴崎友香さんの読了して満足感、達成感を味わえた作品。
「ビリジアン」柴崎友香
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