凄まじい緊迫感と密度に圧倒され息をのんだ。
島本さんの地平はどこまで広がるのだろう。――山本文緒
火照った躰の内側から滲み出す愛の不毛と孤独は、私を虜にした。――行定勲(映画監督)
この小説を読むこと自体、胸をえぐられる恋愛をするのと同等だ。――西加奈子
早く読んでほしい。でないと、この物語はそれ自体が持つ熱に溶けてしまいそうだから。――青山七恵
〈あなた〉と〈私〉……名前すら必要としない二人の、密室のような恋――
山本文緒・行定勲・西加奈子・青山七恵さん絶賛の至上の恋愛小説。
読売新聞、毎日新聞でも話題になった島本理生の新境地!。
自分とはかけ離れた世界観、恋愛観が語られていたので感情移入はできなかったです。
登場人物に「私」を投影して読む恋愛小説を期待したら肩透かしでしょう。
一般的には直接的な言葉で、わかりやすい展開をしていくものが多い恋愛小説。
これは島本理生さん独特の筆致。緻密に言葉や展開を文章に織り込んでいます。
淡々とした表現と、つかみどころのない心理描写に引きこまれます。
登場人物の感情の変化や揺れ動きに上手く文体を変えていったりするところも。
きれいな文を書けるのに不確かな文を入れたこと、そこに込められている感情の機微。
なんだか、考えさせられる気がして、個人的には良かったです。
「あられもない祈り」島本理生さんの特殊な喪失感のようなものが残った作品です。
「あられもない祈り」島本理生
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最近の私の本のチョイスは、雑誌や新聞の書評を読んで…ということが圧倒的に多い。今回のチョイスもそうだった。確か、同時にもう1冊読みたいなと思った本があったけどそっちは地...
長年のパートナーがいる「あなた」に、「付き合って下さい」と言われた「私」。
一度は首を横に振ったはず、だったのに・・・。
島本理生の新作は、既婚男性とOLとの、いわゆ
淡いグレーのようなブルーのような情景。
そんなトーンの中で
「あなた」と「私」の物語はひたひたと
綴られていきます。
足をひきずって歩く男と、
壊れそうな心を抱えた女。
...
酒場のドアを開け、何名さまかと聞かれることもなくカウンターに案内されるのは悪い気がしない。一人で飲みに来るのが常態である男として、店から認められている証しだからだ。常 ...
あられもない祈り 作者: 島本理生 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2010/05/13 メディア: 単行本 クリック: 29回 この商品を含むブログ (37件) を見る なんでこう島本さんて、少女が嫌...
同じ本の読書感想文ということで
お言葉に甘えて、トラバ送らせていただきました(^^)