高校時代を剣道にかける、またとない好敵手。最後の夏、ふたりの決戦のとき。
新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、いよいよ天王山!
わたしたちは、もう迷わない。この道をゆくと、決めたのだから。
宮本武蔵を心の師と仰ぐ香織と、日舞から剣道に転進した早苗。
早苗が福岡に転校して離れた後も、良きライバルであり続けた二人。
三年生になり、卒業後の進路が気になりだすが…。
最後のインターハイで、決戦での対戦を目指す二人のゆくえ。
剣道少女たちの青春エンターテインメント、堂々のクライマックス。
武士道シリーズの三作目です。今回は高校三年生の一年間とその後の夏までのお話。
香織と早苗、二人の主人公を軸に夏のインターハイに向けて、物語は静かに進みます。
剣道にまっすぐ取り組み、生き方に迷い苦しむ姿を熱くまたユーモラスに語っています。
香織と早苗のコンビは絶妙で、特に香織が語るやりとりの部分が笑えるし面白いです。
クライマックスと思えたインターハイの二人は意外にあっさりしていて拍子抜けでした。
今回は早苗の姉緑子、香織の恩師の道場主桐谷、早苗の指導教員の吉野、後輩田原美緒、
主役の二人に関わる四人が、それぞれに語るスピンオフ的ストーリーも織り交ぜられて、
それが伏線化までしていることも含めて、しっかり魅力ある物語に仕上っています。
剣道を極めていく中で自分の人としての生き方に登場人物たちが苦悩し煩悶します。
総勢六人の語りが総じて剣道なり武士道の魅力という所へ収斂していくのがお見事です。
二人の卒業後の進路なども多少ありますが、上手く心地よい感覚に包んでいます。
1作目が成海璃子さんと北乃きいさんで映画化。原作は超えてないものの、
凛とした青春物として良かったです。1作目の記事でリンクしています。
青春小説でありながら、人生への向き合い方をも考えさせられる内容の濃さ豊富さ。
久々の青春スポーツ小説の傑作でもあり、筆致も伸びやかで本当に面白い作品です。
読後感は爽やかでありながら、何か温かいものを感じさせてくれました。
「武士道エイティーン」誉田哲也さんのやはり続編が待ち遠しい青春スポーツ小説です。

「武士道エイティーン」誉田哲也
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と言う訳で、ちゃんと?週末に長崎に帰ったときに紀伊國屋で買ってきました。 武士道エイティーン作者: 誉田 哲也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/07メディア: 単行本 香織と早
大阪の橋下氏に対する期待はすごいなあと感じる今日この頃。
なんかイメージだけであっちに目移りし、こっちに目移りしてるような気もするな。
政治家を育成するという視点が欠け
「武士道エイティーン」誉田 哲也文藝春秋 ISBNコ−ド:97841632832
武士道エイティーン誉田 哲也 文藝春秋 2009-07売り上げランキング : 16669Amazonで詳しく見る by G-Tools「武士道」シリーズの最終巻?ずっと読むのを忘れていました!
探してみたら区の図書
序 そんなわけで。誉田哲也「武士道エイティーン」の感想。ネタバレはほぼなし。今回は簡潔にいこう。 以下の著者インタビューを読んでおくと理解が深まるかもしれない。 武士道女子...
誉田哲也 『武士道エイティーン』 文藝春秋 (2009)
第一作『武士道シックスティーン』から始まる剣道をテーマにしたフィクション三部作(?)の最終巻。ひょっとすると、まだ
武士道エイティーン(2009/07)誉田 哲也商品詳細を見る
内容(「BOOK」データベースより)
高校時代を剣道にかける、またとない好敵手。
最後の夏、ふたりの決戦のとき。
新進気鋭が放...
誉田哲也『武士道エイティーン』(文春文庫)を読んだ。
ブックオフで350円。
藍色さん!トラックバックありがとうございます。(こちらは上手く出来ているのか心配…)
3年以上前の記事を発掘して頂き大変嬉しく思います!武士道シリーズは私が現在も繰り返し...
作品名:武士道エイティーン
作者名:誉田哲也
装丁
イラスト:長崎訓子
デザイン:池田進吾
あらすじ
武士道シックスティーン、セブンティーンの続編にして完結編。
誉田哲也著 2009年文藝春秋刊行 2008年〜2009年に文藝春秋ウエブ「パンセ」にて掲載した短編を基に書き下ろしを加えている。 『武士道シックスティーン』『武士道セブンティーン』の続編...
2009年の作品。「武士道三部作」の最終回である。剣道少女・磯山香織と甲本早苗は、別々の高校ながらも3年生に進んでいる。香織の方は相変わらず相手をぶった切るという気 ...
シックスティーン、セブンティーンに続く第3部。
3年間の集大成、色々のドラマもあり、読み応えがあった。戦いの色はあっさりめ。
途中に何度か挟まれる脇役のサイドストーリー
「とある暇人の感想日記」管理人のtakaoと申します。
こちらの方に「武士道エイティーン」の記事をトラックバックさせて頂きました。
確かにクライマックスになるであろうし、ファンが楽しみにしていたであろうインターハイの決戦はあまりにあっけなさ過ぎたように思いました。
ただ、作者がこの記事で描きたかったことは、高校3年間を剣道に打ち込むことによって成長していく少女たちの姿であったんだろうなぁ、と思っています。
たった3年ですが、高校時代の3年間。どんどん成長していく二人の姿が気持ちよかったです。
是非とも多くの中高生に読んで貰いたい作品である、と個人的には思っています。