幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。
しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。
大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。
親と子、夫婦、家族でいることの意味を根源から問いかける、
角田光代の新たな代表作誕生。
心に深く刻まれている思い出。毎夏訪れたキャンプ。あれは何の集まりだったのか。
メンバーがどのような結びつきなのか。読み手には謎のミステリー仕立ての始まり。
その夏の情景が生き生きと伝わってくる文章も良く、夢中で読みました。
主人公達のその後が気になり、息つく間も無く最後まで一気に読み進んでしまいます。
成長した子供たちが、それぞれに問題を抱えながらも日々を生きていく中で再会。
他の角田作品同様、さすがと言える角田光代マジックが潜んだ一冊です。
生まれる家や環境、場所を選べないことを誰もが知っていても悩みになること。
主人公達にどういう共通点があるのかが、小説の途中でわかります。
傷ついた人々がどう自分と折り合いを付けて他人と関わり合っていくのかを描いた物語。
美しい文章と、主人公達の悩みや戸惑いが胸に迫りました。
生まれや環境などがその人の人生を大きく左右する事はあっても、
結局は人生を切り開いて行くのは自分自身なんだということが心に響いてきます。
明るめで前向きな、希望の持てる終わり方もよかったです。
「ひそやかな花園」角田光代さんの強いメッセージみたいなものを感じました。
楽天からも購入できます。

「ひそやかな花園」角田光代
- http://1iki.blog19.fc2.com/tb.php/2235-ae3bc4c0
トラックバック
『サマーキャンプに紀子がはじめて参加したのは三歳の夏だった。紀子の持つ、ほとんど最初の記憶である。』
いつの頃からか、紀子や樹里、賢人たち7人の子供たちは、毎年夏休み...
『サマーキャンプに紀子がはじめて参加したのは三歳の夏だった。紀子の持つ、ほとんど最初の記憶である。』
いつの頃からか、紀子や樹里、賢人たち7人の子供たちは、毎年夏休み...
角田光代氏の本はこれで4冊目なのですけど、やっぱり面白いです。過去に読んだ『八日目の蝉』『ツリーハウス』も、テーマは家族でした。彼女の作品は、現代家族のありかたをテー
これは、ツイッターでもチラッとつぶやきましたが、一週間ぐらいかけて、寝る前に少しずつ読みました。
その時間の至福だったこと。
ひそやかな花園(2010/07/24)角田 光代商品詳細を...
ひそやかな花園作者: 角田 光代出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2010/07/24メディア: 単行本 毎年、夏休みになると「キャンプ」を称して、 ある山荘に集まる数組の家族。 両親に連れ...
『ひそやかな花園』 角田光代 著 大傑作との評判を、この夏いったい何度目にしただろうか。 だけど、絶対に読むつもり!と心に決めて、 予備知識をまったく入れないように、 注...
「ひそやかな花園」(角田光代)を読む。友人たちに角田光代は上手くて面白いという話を聞いていたからだ。その通り、これは最初から最後まで夢中で読みました。しかも、最初の謎 ...
知り合いのMちゃんが今日から名古屋に行ってるらしーよ。今日はグッズ購入dayで明日コン参戦なんやって。うらやましいね! 高校生のくせに←なのでわたくしは読書&aikoのDVD観賞dayにし...
角田光代(2010年刊毎日新聞社) 2010/11/18読了、2010/11/18メモ 次第に崇拝化 ひそやかな花園 毎日新聞日曜別刷り紙面の連載小説、今、篠田節子氏の『銀婚式』を毎週楽しみにしている、と
p.w{max-width:40em} (この記事の商品画像はAmazonの商品
コメントの投稿