「おまえは俺のこと、見つけられるって」少女は踏み込んだ、愛と破壊の世界へ。
「どうか私だけの神様になって」ファインダーを通して見ていたのは誰の秘密なのか。
デビュー10周年記念書き下ろし作品。
カメラマンを志す少女・黒江の半生を描く物語。
幼児虐待、新興宗教、田舎の中高生の生態、人の生死、写真撮影、心療内科などなど。
今までのような恋愛小説を期待していたので、予想外の雰囲気。
島本理生さんの書かれたものは、ほとんど読ませて頂きました。
でも、これほど何度も「そっちへ行っちゃだめ」と引き止めた主人公は初めてです。
なんとなく、その時その時で主人公・黒江が関わった人との末路が想像できました。
だから余計に、ほぼその通りでぞっとしました。
『こうなりそうだから、こうしないでほしいな』と思うのに嫌な予感がことごとく的中。
この主人公は、自分を傷つけるために行動してるんじゃないかと思ったほどでした。
殺伐としていて、救いようがないんじゃないかとも思いました。
現代のモチーフを盛り込んだ上下巻の長編。ひりひりした痛覚を伝え書き抜いています。
ハッピーエンドというわけではなく、最後はほんのり希望的。だけど本当に痛かった。
仁さんがいれば黒江はきっと大丈夫だろうと思わせる希望のあるラストが良かったです。
大人の作品には遠いかもしれないけれど、今しか書けないものという手ごたえ。
理解・多分?「アンダスタンド・メイビー」島本理生さん、次作が楽しみです。

楽天からも購入できます。


「アンダスタンド・メイビー」島本理生
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いつも...
みなさん、こんばんは。今日は夜勤明けでした、じゅぼんです。
今日は旦那さんと二人で久しぶりにお出掛けしました。楽しかったです。
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