稀代の物語作家が紡ぐ、古より潜む“在らざるもの”たちの咆哮4編。傑作ダークファンタジー。
樹海に抱かれた村で暮らす大輝は、ある日、金色の毛をした不思議な生き物と出合う。
ルークと名付けて飼い始めるが、次第に大輝の体に異変が起きてきて……。
「樹海」と「サンカ」をテーマに、鬼才が読者を神々の世界に誘う、表題作を含む4編を収録。
4編の幻想的な連作短編集です。妖怪、物の怪、精霊という言葉を連想します。
話の発端となる収録一作目の「異神千夜」の舞台は、鎌倉時代の九州地方。
他の3編は、今より少し前の現代。すべてのお話が繋がっているような気がします。
摩訶不思議な存在の「鼬(いたち)」っぽい獣と、
直接的間接的に関わった人達の話を綴ります。
700年以上も前の出来事が、昭和まで続いているわけがないと思いつつ、
鮮明に見え隠れする幻想文学の色合いが強く、曖昧なのに自然で本当っぽい感じ。
「異神千夜」「風天孔参り」 「森の神、夢に還る」「金色の獣、彼方に向かう 」
最初と最後の話をうっすら繋ぐように、中の2編を書き下ろしたのかも。
温かくて切ない手紙や、最後に微笑む主人公に歴史の断片を感じます。
「金色の獣、彼方に向かう」恒川光太郎さんの幻想的な世界が広がる短編集です。
楽天からも購入できます。

「金色の獣、彼方に向かう」恒川光太郎
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著者:恒川光太郎
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4編の作品を収録した短編集。一応、「鼬のような、不思議な力を持つ獣」というものを通しての薄い...
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