マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。
彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で、
誰もが目を覆うような特異な体験をした。
その時から、定は、世間と自分を隔てる壁を強く意識するようになる。
日常を機械的に送る定だったが、ある日、心の奥底にしまいこんでいた、
自分でも忘れていたはずの思いに気づいてしまう。
その瞬間、彼女の心の壁は崩れ去り、熱い思いが止めどなく溢れ出すのだった――。
風変わりな親に育てられた、25歳になる主人公、鳴木戸定。
彼女が人との関わりの中で、自分の言葉を、そして自分を理解する物語。
ユニークで個性豊かな登場人物がいっぱい出てきて、読んでいてとても楽しかったです。
彼女の気持ちや、周りの人たちとの話にも感情移入ができ、愛着が湧きます。
涙がこぼれるような描写もたくさんありました。
途中がそんな風に楽しかっただけに、最後のオチがちょっと困惑。
なぜそうなったのかよくわからず、腑に落ちない印象で残念でした。
ハッピーエンドなんだろうけど、何だか無理やり終わった感じです。
表紙の絵は西加奈子さん作。主人公・定の体に刻まれていくタトゥーの模様です。
今この絵柄を入れたんだな、と読み進めながら確認できたのも楽しかったです。
生きていくことって自分の周囲に起る出来事すべてを受け入れていくことと実感。
母と遊んだ「ふくわらい」西加奈子さんらしい描写や会話で面白く読めました。
楽天からも購入できます。

「ふくわらい」西加奈子
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昨日は、今年に入り…広島市内では初めての積雪
様々なところで、影響がありましたね
私も、自転車で久しぶりに…コケてしまいました(笑)
先日発表になりました「2013 年本屋大賞」ノミネート作品
全国の書店員さんが、「一番売りたい本」を選ぶ
「本屋大賞」のノミネート作品を発表!
~「2013年本屋大賞」ノミネート作品~
「海賊とよばれた男」 百田尚樹 (...
ほら、村上春樹さんが京都で講演したあれって、この賞が創設される
のを記念したものでした。正式な名前は河合隼雄物語賞・学芸賞。物語
賞の選考委員がスゴイんです。上橋菜穂子さん、小川洋子さん、宮部み
ゆきさん。おぉぉぉ!で、選ばれたのが西加奈子さんの「ふくわらい」。
これ直木賞の候補作だし、本屋大賞にもノミネートされてた。賞とれて
よかったなぁ。パチパチパチ!
学芸賞の方も紹...
ふくわらい(2012/08/07)西 加奈子商品詳細を見る
成長物語みたいな?
感想はこちら⇒くりきんとんのこれ読んだ
5月15日(水)(朝)目玉焼き、キュウリと若布の酢の物、厚揚げ煮、三島亭の牛肉そぼろ、納豆、ごはん。(昼)辛ラーメンにもやしとゆで卵。(夜)肉じゃが、切り干し大根の酢 ...
先日、明け方まで六本木で飲んで、店から出てきて驚いた。すっかり昇った太陽のもと、意外な人の多さにびっくりしたんだ。
ふくわらい(2012/08/07)西 加奈子商品詳細を見る
★★★★
マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。25歳。唯一の趣味は、暗闇でのひとり遊び―。
「BOOK」データベースより
この本で、ゲシュタルト崩壊という言葉を覚えました。
強烈な生々しさと、力強さにぐいぐい飲みこまれ、熱に浮かされるように読み終わりました。
身体、顔、言葉。
自...
これも4回目です。『…たす江國香織と西加奈子(『ふくわらい』)』から。
西さんの『ふくわらい』のラストで感じるのは、やっぱり「ああぁっ!! 分かった!!」という感想(感動)だと思います。
つまりミステリーのラストを読んだ時みたいに「(なるほどそういうことだったのかっ)ああぁっ!! 分かった!!」とか、人間理解の強力な補助になった純文学を読んだ時みたいに「(そうか人間てそう...
ふくわらい(2012/08/07)西 加奈子商品詳細を見る
マルキ・ド・サドをもじって名づけられた、書籍編集者の鳴木戸定。
彼女は幼い頃、紀行作家の父に連れられていった旅先で、誰もが目を覆うような特異な体験をした。
その時から、定は、世間と自分を隔てる壁を強く意識するようになる。
日常を機械的に送る定だったが、ある日、心の奥底にしまいこんでいた、自分でも忘れていたは...
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