痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。
本所深川の同心・平四郎は、将来を嘱望される同心の信之輔と調べに乗り出す。
検分にやってきた八丁堀の変わり者“ご隠居”源右衛門は
その斬り口が少し前に見つかった身元不明の亡骸と同じだと断言する。
両者に通じる因縁とは。『ぼんくら』『日暮らし』に続くシリーズ第3作。
本所深川の同心と、その養子息子の捕物帳。長編の「上下巻」もの。井筒平四郎シリーズ。
3作目で既に登場人物の人物像、人間関係も出来上がっていて前作への言及もありそう。
前2作を未読で最初に「おまえさん」を読んだので、最初は大いに戸惑いました。
長すぎるというご意見もありそうですが、登場するキャラが面白くてあっという間。
江戸の街に住んでいた沢山の人たちの、個性と人物像が生き生きと浮かび上がります。
まるで江戸時代にタイムトラベルしたみたいに、たっぷり楽しませてもらいました。
主人公の平四郎もですが、平四郎を支える岡っ引き連中も町人長屋の人々も素敵です。
殺人事件を主に、伸之輔の恋、男の美醜問題、おでこちゃんのおっかさんの様子、
部屋住み問題など、色々なサイドストーリーが平行しています。飽きない早い展開。
みんなが事件に絡んで事件解決に向かう姿を、次々と場面を変えて進んでいきます。
特に、恋と美醜問題はとても興味深かったです。また平四郎の心の声が笑えました。
顔はその人の人生を写すもので、いろんな経験を経て味のある顔になるということ。
最後に苦い経験を経た伸之輔の顔がりりしく、いい顔になったように、
今美しい弓之輔もこれからの経験次第で顔は変わっていくんだろうなと思います。
「おまえさん」宮部みゆきさん、続きが読みたいです。次も楽しみにしています。

楽天からも購入できます。


「おまえさん」(上・下)宮部みゆき
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宮部みゆき先生の時代小説「おまえさん」を読了。
「ぼんくら」「日暮らし」に続くシリーズ3作目。相変わらず面白かった。生薬屋の過去の暗い出来事に関わる殺人事件を同心・井筒平四郎や弓之助をはじめとする面々が解き明かす。顔だけが残念な(笑)同心、間島信之輔が登場。今後このシリーズのレギュラーメンバーとなるのだろうか?
ちなみに今作は単行本と文庫本が同時に発売されたのも特徴。作者...
宮部みゆきの最新時代小説はぼんくら同心井筒平四郎と細君の家の甥で超美形の弓之助たちが活躍する「ぼんくら」シリーズの第三作目にあたる。『ぼんくら』『日暮らし』(いずれも講談社文庫)は登場人物と謎が連続していたので、二作を続けて読まないと必ずしも面白さが十全に味わえるとはいかなかったが、今回の『おまえさん』は独立して読め、主人公たちは魅力的なキャラクターがますます全開の趣きがあることに加えて、登...
『ぼんくら』『日暮し』につづく、顔の長いぼんくら同心平四郎のシリーズ3作目になります。
この世に未練を残したかのように、辻斬りで死んだ亡骸の痕が残した身元不明の被害者。
その被害者と同じ刀傷で殺された薬屋の主人、一見共通点の見当たらない事件の繋がりをたどる事で真相が見えてきてという物語になります。
その捜査の中で主軸となる事件以外の事も絡まり合いながら、事件は収束へと向かう...
「おまえさん 上」(6/144) 「おまえさん 下」(7/144) 文句なし。 圧倒的な面白さ。 文庫1,200頁がこんなに愛おしいなんて。 宮部みゆき、に感謝の文化の日です。 ぼんくらシリーズの三つ目。 薬屋の主人が斬られた。 むむむ、これは連続殺人かも? ご隠居
久々の時代小説で、ずいぶん長いことかかって読みました。
おまえさん(上) (講談社文庫)(2011/09/22)宮部 みゆき商品詳細を見る
おまえさん(下) (講談社文庫)(2011/09/22)宮部 みゆき商品詳細を見る
宮部みゆき作品も外れがない、と言いたいところですが、多少好みが分かれるかもしれません。
これは美形でかわいい弓之助が事件を解決するシリーズ3作目です。...
よいです~。
内容もよいし、すごーく長編であることも嬉しいし。
いきなり単行本と文庫版が同時に出版されたそうで、即買い(文庫の方ですがっ)。上下両巻とも文庫ながら600ページ超のボリュームです。ぐふふ、たまりまへんな~(≧∇≦)ノ彡。
痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の同心・平四郎は、将来を嘱望される同心の信之輔と調べに乗り出す。検分にやってきた八丁堀の変わり者“ご隠居”源右衛門はその斬り口が少し前に見つかった身元不明の亡骸と同じだと断言する。両者に通じる因縁とは。『ぼんくら』『日暮らし』に続くシリーズ第3作。本所深川の同心と、その養子息子の捕物帳。長編の「上下巻」もの。井...
おまえさん(上) (講談社文庫)
おまえさん(下) (講談社文庫)
宮部みゆき発売元: 講談社価格: ¥ 880発売日: 2011/09/22
おすすめ:★★★☆☆
「こういうことでは、誰かが可哀相になるもんですよ、間島様」
痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。
本所深川の同心・平四郎は、将来を嘱望される同心の信之輔と調べに乗り出す。
...
「宮部みゆき」の長編時代小説『おまえさん』を読みました。
[おまえさん]
『震える岩 霊験お初捕物控』、『天狗風 霊験お初捕物控【二】』、『あやし』、『ぼんくら』、『日暮らし』に続き、「宮部みゆき」作品です。
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〈上〉
痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人「新兵衛」が斬り殺された。
本所深川の同心「平四郎」は、将来を嘱望される同...
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