歌舞伎町で働くバーテンダーが、ニッポンの未来を変えていく!?新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れのホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書を志す女、世界的なチェロ奏者、韓国クラブのママ、無実の罪をかぶる元教員の娘、秋田県大館に一人住む老婆……一人ひとりの力は弱くても心優しき八人の主人公たちが、少しの勇気と信じる力で、この国の将来を決める“戦い”に挑んでゆく! 希望の見えない現在に一条の光をあてる傑作長編小説。 思いもよらぬ結末と共に爽快な読後感がやってくる、著者の新たな代表作。
地方出身者たちが東京そして秋田を舞台に織りなす群像劇。
昔話の猿蟹合戦を下敷きに、親を殺されたに等しい二組の者たちの復讐劇を描きます。
始まりからいくつかの泥沼のような過去のしがらみを抱えた人々が登場。
一見関係なさそうな彼らが次第に繋がり絡まっていく様子は伊坂幸太郎風と言えるかも。
復讐劇は同時進行ではなく、片方の復讐がなされたところから物語は始まります。
もう一つの復讐劇は読者には知らされない構造。
最初の復讐に関与した人間を含めて全登場人物を巻き込みながら物語が進んでいきます。
最後は秋田を舞台に活劇風に盛り上がります。
人間性の深い部分をあぶりだすような視点や仕掛けはなく純文学的な深みには欠けますが
いずれも愛すべきキャラクターの持ち主の登場人物たちが、読み手を引きつけます。
さらに作者特有のストーリーテリングの巧みさも重なってとても面白く読めました。
多くの主要人物の話を交互にまぶしつつ、ラストに向けて収束していくストーリー展開。
予定調和的な結末ですが、結末に至るプロットには起伏もあり十分に楽しめる内容。
「平成猿蟹合戦図」吉田修一さんの読んで小気味いいエンターテインメント作品です。
楽天からも購入できます。

「平成猿蟹合戦図」吉田修一
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吉田修一さんの「平成猿蟹合戦図」を読んでみました。僕の中では大好きと大コケのどっちかの作家さんですが、今回は大好きいただきました。ただ「横道世之介」もそうなんですがタイトルで損してませんか?っていつも思う。あらすじは、新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者への復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書...
芥川賞作家・吉田修一による痛快小説「平成猿蟹合戦図」★★★★★
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長崎の離島から上京した子連れのホステス。
彼女の旦那で、売れないホスト。
歌舞伎町で下働きするバーテンダー。
世界的な人気チェロ奏者と、その秘書と、霊能者。
韓国クラブのママとヤクザ者の男。
轢き逃げ事件で逮捕され服役する元教師と、その娘。
ある夫...
JUGEMテーマ:小説全般 ● 平成猿蟹合戦図 / 吉田修一 ● 朝日新聞出版 ● 1890円 ● 評価 ☆☆☆☆新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。心優しき八人の主人公が、少しの勇気と信じる力で、この国の未来を変える“戦い”に挑んでゆく。希望の見えない現在に一条の光をあてる傑作長編小説。 (感想)面白いのになかなかページをめくる手が進...
今日はなんにも手につかないので、最近読んだ本の感想を。
「平成猿蟹合戦図」吉田修一著
ホストやらチェリストやら女子大生やら、主人公が8人もいる物語。
詳しい内容は書きませんが、ざっくりと説明すると、
目の前で困っている人に、ふと手を差し伸べる。
そうすることで、自分もほんわかした気持ちになれる。
主人公たちはみんな、そうした日常的な感覚で行動しているう...
「週刊朝日」2010年5月から2011年4月に連載の作品。
例によって、全く予備知識なしで読みはじめたので、登場人物が増え、広がった話がどう進んでいくのか分からなかった。
中盤からの一気に繋がっていき、ハッピーエンドな話であった。
なんか、そのうちに、人気の若手俳優で映画化されそうな話。
そう言えば、「横道 世之助」が、映画化されるようだ。
...
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新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡な暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、すべての始まりだった。長崎から上京した子連れのホステス、事件現場を目撃するバーテン、冴えないホスト、政治家の秘書を志す女、世界的なチェロ奏者、韓国クラブのママ、無実の罪をかぶる元教員の娘、秋田県大館に一人住む老婆…心優しき八人の主人公が、少しの勇気と信じる力で...
トラックバック、ありがとうございました。
ジャンルの違うブログを書いているもので少し戸惑いましたが、
こちらからもトラックバックさせていただきました。
たくさんの本を読まれていてすごいです。
本選びに迷ったら、またおじゃまさせていただきます。