謎多き祖父の戸籍──祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まった。
満州、そして新宿。熱く胸に迫る翡翠飯店三代記。第22回伊藤整文学賞。
謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。
すべての家庭の床下には、戦争の記憶が埋まっている。
新宿角筈『翡翠飯店』クロニクル。
どこにでもいそうな、いたって平凡と思える一家の、三世代に渡る物語。
それぞれの時代、各人物像をぶれることなく細かく描いています。
大変長い作品なのにも関わらず、ぐいぐい引き込まれてあっという間に読めました。
本人にとっては平凡と思える人生、関わる家族の歴史も、実はかけがえのないもの。
今ここにある現実は培ってきた過去があったからこそと前向きに思える内容です。
角田光代さんらしい大変いい作品に出会え、久しぶりに充足感を味わえました。
ここで描いているのはごく普通のどこにでもありそうな家族の歴史ですが、
それぞれの時代に実際に起こった事件、出来事などと上手にリンクして進みます。
飄々とした人物像や各人の生き様などがよりリアルに感じられるみたいです。
最後の方で、孫の良嗣が祖母に人生で失ったものと得たものについて尋ねる場面。
祖母の言葉がとても心に染みました。「後悔したってそれ以外にないんだよ、何も。
私がやってきたことがどんなに馬鹿げたことでも、それ以外にはなんにもない、無だよ。
だったら損だよ、後悔なんてするだけ損。それしかなかったんだから」。
人生にはもしという仮定はない。一見流されているように見えても、その時々に起こる
出来事を受け入れていくことに意味があり、先へ未来へと繋がっていくと解釈しました。
「ツリーハウス」角田光代さんの読み応えがあり、読後も爽やかな三世代物語です。
楽天からも購入できます。

「ツリーハウス」角田光代
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角田光代 「ツリーハウス」文藝春秋刊
ツリーハウス(2010/10/15)角田 光代商品詳細を見る
第22回伊藤整文学賞受賞。
新宿の中華料理店、翡翠飯店の三世代の物語。
店を開いた祖父が突然亡くなり、多くを語らなかった祖母は、二人が出会った土地、満州へ行きたいと言う。
孫の藤代良嗣は、祖母と一緒に満州へ渡るが。
戦争、学生運動、新興宗教など、時代と共...
初読み
どんな家族もミステリアス!
(帯より)
どこか物悲しく、なぜか懐かしく。
ありふれた日常を支える人々の人生、そのルーツを探る旅に出てみませんか。
角田光代さん
...
墓のある家と、ない家。
墓はないけれども、主家があって自分の家系はわかっている家。
この小説に出てくる藤代家には、墓もないし、戦後満州から命からがら脱出してきた祖父母は自分たちの人生を黙して語らず、家のルーツというものがまったくわからないのです。
角田光代はすっかり大作家になりましたね。「八日目の蝉」以来ですが、ほんとうに読みやすくて、巧いなあと感じました。ただ、一気に読めばもっと面白...
祖父母が知り合った満州で何があったのか。 新宿にある翡翠飯店の年代記。第22回伊藤整文学賞。 【送料無料】ツリーハウス [ 角田光代 ]価格:700円(税込、送料込) 祖父泰造の死後、孫の良嗣は祖母と旧満州を旅することになった。 そこは祖母のヤエを連れて祖父…
一般小説ツリーハウス (文春文庫) [文庫]角田 光代文藝春秋2013-04-10【文庫情報】483ページ出版社 : 文藝春秋発売日 : 2013/4/10※伊藤整文学賞受賞【あらすじ】じいさんが死んだ ...
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謎多き祖父の戸籍──
祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まった。
満州、そして新宿。
熱く胸に迫る翡翠飯店三代記。
第22回伊藤整文学賞。 内容紹介
新宿で3代続く中華料理屋「翡翠飯店」。
と表面を見れば、少し良さげな印象を受ける。
実際は古びた建屋、油の染みついた天井...
わりと好きな著者、ということもあって、読んでみました。
ツリーハウス(2010/10/15)角田 光代商品詳細を見る
内容紹介
謎多き祖父の戸籍──祖母の予期せぬ“帰郷”から隠された過去への旅が始まった。
満州、そして新宿。
熱く胸に迫る翡翠飯店三代記。
内容(「BOOK」データベースより)
謎の多い祖父の戸籍、沈黙が隠した家族の過去。
すべての家庭の床下には、戦争の記...
ツリーハウス(2010/10/15)角田 光代商品詳細を見る
なにをたべたかわかる?(2003/11)長 新太商品詳細を見る
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