他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、
きっと誰にも理解できない。
ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。
日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。
ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。
自転車ロードレースの世界で奮闘する若者を描いたシリーズ小説の三作目。
前二作は長編でしたが本書は六短編を収録したスピンオフ的なショートストーリー作品集。
ヨーロッパで転戦する白石誓が主人公として登場する物語が1話目と6話目。
2話目からは一作目のチーム・オッジのメンバーが、それぞれの話の主人公になってます。
アシスト・エース・クライマー・スプリンター色々なタイプの人物に焦点があたる各話。
2話目はかつて白石誓と同期だったチームメイトでスプリンターの伊庭の物語。
残り3話は最年長でチームのまとめ役だった石尾の忠実なアシスト・赤城の物語です。
白石の物語とはまた違った赤城のエピソードで、影の深いストーリーを楽しめました。
各々の個性・生きざま・心理をそれぞれの舞台で描いて、思わず応援していました。
タイトルや作品の雰囲気から本作の主人公はエースだったクライマーの石尾かも。
今回も反則、ドーピング、チーム内不和やライバルの嫌がらせなど負の部分も沢山です。
でもここに描かない何十倍何百倍の時間、白石が伊庭が赤城が石尾が雨と太陽と風の中、
ペダルをひたすら回し続け、走り続けている爽快感を感じることができました。
作品世界に広がりを持たせた「サヴァイブ」近藤史恵さんの書くレースシーンが好きです。
楽天からも購入できます。

続編も出ています。

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「サヴァイブ」近藤史恵
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短い(ほぼ皆無の)夏休み(ToT)
何とか読み終えました。
“yom yom “、“Story Sellet“ で既出の物を集めた短編集。読んだことのあるものばかりですが、読み返してもやっぱり面白い!
ただ無理にミステリーにしているようなところが少し気になりました。“スピードの果て“で玉置が伊庭のロッカーをわざと荒らすところとか。
セカンドウィンド4が9月22日発売とい...
近藤史恵さんの「サヴァイヴ」を読み終えました。この作品は、「サクリファイス」「エデン」と続いてきた作品の3作目です。
「サクリファイス」と「エデン」は白石誓を主人公とした長編作品でしたが、この「サヴァイヴ」は物語の視点が誓だけでなく、伊庭や赤城の視点から描かれた物語も収録されています。前2作とは変わり、今回は6本の短編を集めた作品集になっているのも異なります。
収録されている作品...
自転車ロードレースを題材にしたミステリーの『サクリファイス』『エデン』に続くシリーズ第3弾ではありますが、続編という形ではなく、スピンオフの短編集になりますね。
登場人物の、特に『サクリファイス』よりも過去のお話をメインにしています。
自転車ロードレースという、ヨーロッパではメジャー、日本ではマイナー競技という事での違いであるとか、団体競技と個人競技のどちらの性格も兼ね合わせてい...
著者:近藤史恵
サヴァイヴ(2011/06)近藤 史恵商品詳細を見る
チーム・オッジを巡る物語。
『サクリファイス』、『エデン』の前後を描いた連作短編集。
これまでのシリーズは、白石誓を主人公として描かれてきたのだが、本作では、誓だけでなく、その先輩である赤城が、チームメイトとなり、エースとなる石尾とのやりとりを描いたエピソードも多いので、かなり番外編的な印象が残る。
この...
『サヴァイヴ』 近藤史恵著 新潮社 近藤史恵さん、『サクリファイス』、『エデン』
近藤史恵著。
『サクリファイス』シリーズの短編集。
長編二作ほどには楽しめなかったかも。
とくにヨーロッパでのドーピングの話はいまいち。
赤城視点による、石尾のエピソードは面白かったです。
「ゴールを目指さずに走ってる選手の気持ちが……」ってアシストの気持ちを語
るシーンが熱くていいですね。
サヴァイヴ(2011/06)近藤 史恵...
サヴァイヴ(2011/06)近藤 史恵商品詳細を見る
★★★☆
他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。
「BOOK」データベースより
「エデン」に引き続き「サヴァイヴ...
他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。自転車ロードレースの世界で奮闘する若者を描いたシリーズ小説の三作目。前二作は長編でしたが本書は六短編を収録したスピンオフ的なショートストーリー...
近藤史恵著 2011年新潮社刊行 『サクリファイス』『エデン』の続編で、以下6編の短編集。 老ビプネンの腹の中 スピードの果て プロトンの中の孤独 レミング ゴールよりももっと遠く トウラーダ 「プロトンの中の孤独」「レミング」「ゴールよりももっと遠く」は『Story Sel
サヴァイヴ (新潮文庫)
近藤史恵発売元: 新潮社価格: ¥ 594発売日: 2014/05/28おすすめ:★★★★☆
「いちばん速く走れば、早く終わるんだって」
団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。
ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。
その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは―(「...
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