高校生の佳奈は、書道教室の継野先生へ思いを寄せてきた。
けれど、先生には由季子さんという奥さんがいて…。
美人で天才、自由奔放な妹の紗英が背負っている、命の不安。
他の教室からやってきた津田君の、真摯に書道に打ち込む姿。
周囲の思いに背中を押されるように、佳奈のなかで何かが大きく変わろうとしていた―。
春から夏へ、少女から大人へ。まぶしく切ない青春恋愛小説。
習字教室の先生に思いを寄せる少女の爽やかな恋を描いています。
1つ1つの言葉の言い回しや、空気感の出し方がとても好きな橋本紡作品です。
今回も何か特別大きな出来事が起こるわけではなく、身近に感じられる物語です。
佳奈の恋については、きちんと決着しましたが、なかなか興味深い結末でした。
ただ、妹の紗英や継野先生、由季子さんの思いをもう少し丁寧に描いて欲しかったです。
詳しくなくていいので、登場人物たちが持っている思いの深さが知りたかったのです。
例えば、先生の妻への愛情や妹の孤独感。何か綺麗すぎる感じなのが残念です。
ちょっとした日常の雰囲気はいつもの橋本紡さんらしく、繊細で見事な心理描写でした。
橋本紡さん未読の方には、物語の結論に加えて文章の紡ぎ方を読んで欲しい一冊。
結果を高く求めず紡ぎ出される言葉に橋本紡さんならではの美しさがにじみ出ています。
読み終えてみると、どこか悲しいけれど清々しく感じる、そんなストーリーです。
成長する「葉桜」橋本紡さんらしさが良く出たストーリー。個人的には結構好きです。
楽天からも購入できます。

「葉桜」橋本紡
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高校生の佳奈は、書道教室の継野先生へ思いを寄せてきた。けれど、先生には由季子さんという奥さんがいて…。美人で天才、自由奔放な妹の紗英が背負っている、命の不安。他の教室からやってきた津田君の、真摯に書道に打ち込む姿。周囲の思いに背中を押されるように、佳奈のなかで何かが大きく変わろうとしていた―。春から夏へ、少女から大人へ。まぶしく切ない青春恋愛小説。まるで少女漫画を読んでいるかのような小説だっ...
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「葉桜」橋本紡
高3の佳奈は、
小学生の時から書道教室に通っている。
書道が好きというより、先生に憧れて。。
そんな佳奈はある”伝説”から、
妹のことも心配だったり。。
橋本さん新刊。
つまらない言い方をしたら、、
少女の初恋をみずみずしい筆致で、、、とかなんとか。
って感じでしょう。
おもしろい言い方ができるわけではないけれど。
女子高生の初恋モノを、
イイオヤジがうま...
 子供の頃から通う書道教室の先生に密かな恋心を抱いている少女。
長い長い、秘めた恋。
淡々と、書を習い、見てもらう日々。
夭逝するかもしれないと言われている妹。
先生の美しい妻。
先生が与った少年。
実力と相反する環境にいる先生。
多感な日常を切り取った、瑞々しい日々の物語。
筆致が大変美しい作品。
純文学と言ってもいい。
何か事件が起こっている...
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