湯川が殺人を?「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ」。
ガリレオシリーズ初の完全書き下ろし。
前作を書き終えた時点で、今後ガリレオの短編を書くことはもうない、
ラストを飾るにふさわしい出来映えだ、と思っていた著者が、
「小説の神様というやつは、私が想像していた以上に気まぐれのようです。
そのことをたっぷりと思い知らされた結果が、『禁断の魔術』ということになります」
と語る最新刊。
「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の4編収録。ガリレオ短編の最高峰登場。
当初は偏屈だった湯川学がシリーズ14年の歳月を経てここまで変わって感慨深いです。
湯川学の解く謎は巻を重ねるにつれ人間の盲点をつく心理トリックにまで広がります。
それとともに湯川学の人物像が掘り下げられ、際立った魅力を放つようになっていました。
東野圭吾さんの幅広い作風に謎解きの関心が人間ドラマと融合し、理想的な連作へと変化。
本書では犯人当てよりも、人の行動の理由を問う要素が明らかに大きくなっています。
湯川の推理が事件解決に直接寄与するという単純なパターンじゃなくなっているのです。
単に謎解きだけでなく、関係者たちの悩みや誤解を修繕する役割をも担っています。
被害者の思いを読み解く、被害者遺族を救う。そこまで変わったことが素晴らしいです。
湯川と一時期関係がぎくしゃくしていた草薙も刑事として優秀さを増しています。
気の置けない会話の復活が微笑ましくもあり、互いの職業柄からの緊張関係も絶妙。
そこに女性刑事の薫が加わったことでシリーズの物語としての幅が増した感じがします。
これでシリーズはひとまず完結かもですが、再び会えるまでの小休止であってほしいです。
「禁断の魔術ガリレオ8」東野圭吾さんのガリレオシリーズ次作も「実に興味深い」です。

楽天からも購入できます。


「禁断の魔術ガリレオ8」東野圭吾
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(東野圭吾)を読みました。「ガリレオシリーズ8」です。4篇の短編集です。透視術,引退間近の投手,双子のテレパシー,教え子による殺人計画。典型的な推理小説?で面白いです。
東野圭吾は稼いでるなあ。
すっかり冷え込んできました。終わらないかと思うような夏も,冬に向かうものなのだ。お天道さまには敵わない。
第1章 透視す-みとおす 第2章 曲球る-まがる 第3章 念派る-おくる 第4章 猛射つ-うつ 東野圭吾の代表作ガリレオシリーズの第8弾。 登場人物は、主役の湯川学にお馴染みの刑事草薙と内海。 この第8弾は、第7弾同様、4話からなる短編集である。 されどこのガリレ…
ガリレオシリーズ第8弾。前作はやや物足りない印象だったが、今回は挽回した感じだ。
禁断の魔術 ガリレオ8(2012/10/13)東野 圭吾商品詳細を見る
なるほど、それで禁断の魔術ね~
感想はこちら⇒くりきんとんのこれ読んだ
「禁断の魔術 ガリレオ8」(52/144) ガリレオ、8です 本作品は小編3、中編1という構成 タイトルの通り そこに手を出して良いのだろうか…… 営業に科学 復活に科学 策略に科学 復讐に科学 様々なカタチで科学が使われます その結果、何を生みだすのでし
禁断の魔術 ガリレオ8東野 圭吾 文藝春秋 2012-10-13自己評価:
湯川が殺人を? 「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対する罰だ」。「透視す」「曲球る」「念波る」「猛射つ」の4編収録。ガリレオシリーズ初の完全書き下ろし。
第八位『週刊文春ミステリーベスト10』(2012)
禁断の魔術 ガリレオ8(2012/10/13)東野 圭吾商品詳細を見る
【概要】
ガリレオシリーズ 短編集 いつの間にやら第8弾です
【感想】
短編集なので、サラッと読めます
ただ、最後の「念波る」は短編2~3編ほどあるので、結構読み応えあります
科学がもたらす光の部分と闇の部分
使いようによっては武器にもなりうる
湯川が決着をつけようとする場面を福山雅治が脳内で...
(12年10月26日、読了)禁断の魔術 ガリレオ8(2012/10/13)東野 圭吾商品詳細を見る
(Story)
ガリレオの教え子が行方不明になった。姉を見殺しにされた教え子は、ある計画をたてていたためである。ガリレオがとった行動とは?(「猛射つ」より)
上記の「猛射つ」をふくむ、「透視す」「曲球る」「念波る」4編を収録。
(レビュー)
前回の「虚像の道化師」のオビに10...
ガリレオシリーズ最新刊。最新・・・といっても、予約を入れてからずい分経っていますが。
ついでに言うと、読んだのもちょっと前。すぐに感想を書こうと思ったのですが、その頃私のPCは絶不調状態で、ただワードで日本語を打っているだけで内蔵ファンがぎゅるんぎゅるん回り始めて暴走しそうになるのでした。
そこで、真面目な私(そんなところで真面目でも、何の得にもなりゃしないのに)は、手書きで感想文を...
28日~31日。 今月、駆け込みの1冊。 これで今月も辛うじての10冊。 今回も短編集。 3つの短編と1つの中編。 全て短編かなぁと思って読んでたら、 4つ目がちょっと長めになっていた。 「透視す(みとおす)」 透視を特技としていた銀座のホステス、アイの他…
著者:東野圭吾
出版社:文芸春愁
初版:(2012年)
形態:単行本
文庫:なし
他出版:なし
シリーズ:ガリレオシリーズ
ジャンル:ミステリー
【あらすじ】
湯川が殺人を?「自業自得だ。教え子に正しく科学を教えてやれなかったことに対す
る罰だ」。
湯川の死神化が止まらない。
全巻であったような露骨な巻き込まれ方はなかったものの、事件の関わり方は今までと変わってる。
多分その理由は犯人が物理トリックを使わないからだろうな。
最初の2編は特に警察がとっとと事件解決してしまって湯川はその後日談程度に関わる程度。
犯人捕まったけど報告書が書けないどうにかしてくれ的なw(ドラマは2話まで見たけど今後もあのスタンスで行くのだろうか?)
...
東野圭吾著 2012年文藝春秋刊行 以下の3短編+1中編の合わせて4作品。 第一章 透視す みとおす 第ニ章 曲球る まがる 第三章 念波る おくる 第四章 猛射つ うつ 前作品はあまり面白くなかったけど、今回のはすべて面白かった。直接的に、直接的でないにしても間接的に物
私からもよろしくお願いします。
私も同じく、偏屈だったガリレオ博士がここまで変わったこと、キャラを掘り下げて描いていたことに感慨深いものがありました。