読者を不思議な世界にいざなう、待望のエッセイ集
ひとつの言葉から広がる無限のイメージ……。
江國さんの筆にかかると、日々のささいな出来事さえも、キラキラと輝いて見えだします。
ここにあるのは幸福な魂の食事。食べものをめぐる言葉と、小説、旅、そして日々のよしなしごと。
江國さんが語るささやかな日常。美味しそうな食べ物がほとんどすべてに出てきます。
海外で日本で、実際に江國さんが味わったさまざまな食べ物のこと。
お正月に寄せる感慨、好きな作品にまつわる話など、盛りだくさんです。
日常の出来事が綺麗で味わい深い文章で楽しめます。
タイトルの「やわらかなレタス」は、ピーター・ラビットの物語にある言葉からの引用。
さまざまな「幸福な食」のエピソードを優しく繊細な言葉で紡ぎます。
普通の美食エッセイと違い、物事の本質を捕らえる江國さんらしい穏やかな文章の数々。
以前から感心していた言葉の選び方の精度が以前にも増して高くなっている気がします。
生きることが「食」に不可欠なら「幸福な食」とは「幸福な生」を意味するのでしょう。
江國さんの言葉の力で数々の話がさらに魅力的になり、心に強い印象を残します。
疲れた時に読んで、江國さんの作った言葉の世界に浸ってみたくなるような一冊。
「やわらかなレタス」江國香織さんの食にまつわる珠玉のエッセイ集です。
楽天からも購入できます。

「やわらかなレタス」江國香織
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2010.7.8の江國香織「果物! 果物! 果物!」──この回が文庫化されたら、あらためて愛玩、賞味したいとは思うけど、〈夕食以外は基本的に果物を主食にしているので〉、「果物のたくさんある」「夏」が「嬉しい」。〈きざしは枇杷だ。決定打がプラム〉 自意識について語
やわらかなレタス / 江國 香織
ずいぶんと本に関しての記事を書いていないと気づいた。
それもそうだろう、そもそもこの数ヶ月まともに本を読んでいない。
今日はあれとこれを片付けて、あれとこれの準備をして、この打ち合わせをして、その間にいろんな質問やら問合わせやらに対応して、なんて慌ただしく脳みそをフル回転させる毎日の中で、本を読む時間をすっかり置き去りにしてしまっていたよ...
『やわらかなレタス』
江國香織著
文藝春秋 (2011/02)
主に食べ物をめぐるエッセイ集。日々のことを綴っていてさらっと読める。読みながら何だかとても心地よかった。両親との思い出や、妹さんやダンナ様とのやり取りなどが微笑ましくて楽しい。妹さんがレストランで注文したものを聞いて、ボーイフレンドが出来たことに感づく話や、どうしてもてんぷらが食べたかったお父さんの話など、...
食を巡る、江國香織さんのエッセイ集。以前、物凄く久しぶりに週刊文春を読
んだら、江國さんの連載があってビックリした憶えがある。その連載をまとめた
もの。あっさりと気軽に読める本ですが、とっても面白かった! とっても江國
さんらしくて。ファンは必読ですね。
果物への偏愛ぶりや、書物に出てくるおいしそうな食べ物への渇望、おいしい
ものを、一番おいしく食べられるように自らに課...
江國香織さんの小説は何冊か読みましたが、エッセイは今回が初めて。
やわらかなレタス(2011/02)江國 香織商品詳細を見る
相変わらず、“ほわんとしているのに芯が通ってる”イメージ通りの内容だったので嬉しかったです。
日常の何気ないモノや出来事にここまで妄想(?)をふくらませていけるなんて、さすが作家さん。
江國ワールドの原点はこの人柄なんでしょうね。
やたらと感...
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