「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない」と著者自らが語る会心作!
黄色いアサガオだけは追いかけるな―。
この世に存在しないはずの花をめぐり、驚愕の真相が明らかになる長編ミステリ。
著者のコメント
「アサガオに黄色い花はありません。しかし江戸時代には存在したのです。
ではなぜ今は存在しないのか。
人工的によみがえらせることは不可能なのか。
そのように考えていくと、徐々にミステリの香りが立ち上ってきました。」
登場人物それぞれが抱える謎。どのように絡み合うのかわからないまま読み進めました。
謎めいた雰囲気が独特です。中盤以降、ひとつの手がかりが別の手がかりに繋がり始め、
連鎖反応的にスピーディーな場面展開があり、一挙にぐいぐい引き込まれました。
犯行現場から当日の状況を推理する場面なども、ミステリーの面白さを楽しめます。
多くの謎が絡み合った紐がほどけるように、ひとつひとつ解けていきます。
黄色いアサガオを巡る登場人物たちの相関関係が解きほぐされていくところが圧巻です。
それらの関連性もわかり、謎だった事柄がひとつに繋がっていく爽快感は格別です。
まさにミステリーの醍醐味である、濃厚な味を堪能できる作品でしょう。
「歴史街道」2002年7月号~2004年6月号の連載をもとにした書き下ろし。
進歩する情報技術や東日本大震災などを受け、大幅に書き直し単行本化したようです。
事件のキーポイントである黄色いアサガオの謎。今では存在しない幻の花。
花が事件にどのように関わってくるのか?。事件を解くための重要な手がかりです。
途中で出てくる別名「夢幻花」、物語が進んでいく過程で名前の意味がわかります。
自殺、殺人など不幸な事件が起こる原因。人為的に抹殺された意味が隠れていました。
夢幻花の厄難から人々を守るため、人知れず負の遺産を受け継ぐ決意をした一族。
負の遺産、今まさに、そのことについて、私たちは決意、覚悟が必要なんだと思います。
ミステリーとしてだけではなく、東野圭吾さんの思いも込められた物語。
加えて明日を生きる若者たちへのメッセージも託されていて読後感も良いです。
黄色い朝顔の別名「夢幻花」東野圭吾さんの凝った物語を編み出す力量、さすがです。
楽天からも購入できます。

「夢幻花」東野圭吾
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東野圭吾さんの小説は、どれも好きです。
『夢幻花』も最後まで展開が分からなくて、
繋がりが分からないそれぞれのストーリーが、一気に繋がって完結するラストは、本当にすごかったです。
なぜこんなに面白い小説を矢継ぎ早に書けるんだろうと不思議ですが、
やっぱりものすごいデータ収集と努力があってこそなんでしょうね‥
ちなみに私が一...
黄色いあさがおがキーとなる王道ミステリーですね。
いとこが自殺し、それから間を置かないうちに1人暮らしの祖父が殺された。
第一発見者の孫娘はその現場にひっかかりを感じ、そのまま事件に関わりをもつようになる。
また警察は警察で捜査されているし、殺人事件とは別にまた動きがあってという多層構造で事件、また事件の裏側にあるものが追われていくという形ですね。
突飛な推理や行動で...
東野圭吾さんの小説「夢幻花(むげんばな)」を読了。
黄色い朝顔の花にまつわる話というのは事前に知っていて、そのために朝顔の栽培の歴史や多様な品種などに深く踏み込んだ物語を期待していたのだが、そういう意味では期待外れで、朝顔に関しては表面的にさらっと撫でるだけに留まっている。
ある殺人事件の発生とその解決への物語で、その中で主人公の一家に秘められた事実が明かされていく。
...
東野圭吾 『夢幻花』(PHP研究所)、読了。
鑑賞以外のアサガオの価値・・・・となると想像されるのはやはりアレであり、
本作の真相も、やっぱりアレ方面のお話でした。
しかも、そこに価値を見出していた人々も予想の範囲内。
読みやすいので、どんどん先に進めて、
なんとなくハマッて読んでいたような錯覚に陥りますが、
それほど驚きを感じられたわけでもなく、
可もなく不可もなくと...
Lecture
ナメクジに塩をかけると溶けるっていうよね?
あれは実は溶けているんじゃなくて
浸透圧によって塩に水分を奪われてるんだよ(^_^)
だから塩以外の砂糖とか醤油とかでも塩と同じようになるんだよ(^^)
さて、今日は
映画ではなく本を紹介!
東野圭吾さんの
『夢幻花』
〜黄色いアサガオだけは追いかけるな。〜
昔、江...
秋山梨乃は21歳の大学生。オリンピックを目指していた元水泳選手である。
たった3ヶ月の間に、従兄の鳥井尚人と祖父の秋山周治が亡くなった。
人気アマチュアバンドのメンバーでプロを目指していた尚人は、変わったところもなく、遺書もないまま飛び降り自殺し、ひとり暮らしで花の栽培を心の支えにしていた祖父の周治は、梨乃が電話で来訪を告げた直後に自宅で何者かに殺害された。
祖父の育てた花をブ...
著者:東野圭吾
夢幻花(むげんばな)(2013/04/18)東野 圭吾商品詳細を見る
一人暮らしをしていた老人・秋山周吾が殺害された。流しの犯行ではないか、という見方が広まる中、第一発見者である孫の梨乃は、周吾が育てていた黄色い花の鉢が消えていることに気付く。そのことを、ブログにUPするが、それを見た蒲生要介という男が現れる。そして、その後、その要介の弟・蒼太と知り合った梨乃は、...
夢幻花 東野圭吾
PHP研究所
2013.6.11
プロローグ1
プロローグ2
1 ~ 39
エピローグ
東野圭吾はもういいや、と言いつつ、
新刊が出ると、ついリクエストの列に並んでしまう
「夢幻花」、結構面白かった。
冒頭の昭和30年代?の日本刀による惨殺事件も、
蒲生蒼太の父と10歳年上の兄が、毎年熱心に入谷の朝顔市に通うのも、
蒼太14歳...
会心のミステリ!
夢幻花(むげんばな)posted with amazlet at 13.07.08東野 圭吾 PHP研究所 (2013-04-18)売り上げランキング: 526Amazon.co.jpで詳細を見る
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東野さんの新刊を読みました。
”著者自らが語る会心作”の帯の文句に期待大!
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黄色いアサガオだけは追いかけるな―。
この世に存在しないはずの花をめぐり、
驚愕の真相が明らかになる長編ミステリ。
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ストーリーは、衝撃的なプロローグから始まります。
19...
独居老人殺害事件と朝顔の関係は何か。 2013年度、柴田錬三郎賞受賞作。 主人公は大学院生の蒼太。専門は原子力。 家を出たいがために、大阪の大学へ進んだ。 母親が違う年の離れた兄、要介は警察庁の役人。 父親も警察官だった。 所轄の刑事、早瀬はかつて婦警…
というのはミステリーですよね、確かに。
真っ黒のアサガオなんてのもあったらしいですよ。