10年ぶりに会った友達を、どこまで助けたらいい?
揺れる心が生み出した傑作ミステリー!
脚本家の鈴音は高校時代の友達・水絵と突然再会した。
子連れの水絵は離婚して、リストラに遭ったことを打ち明け、
1週間だけ泊めて欲しいと泣きつく。
鈴音は戸惑いながらも受け入れた。
だが、一緒に暮らし始めると、生活習慣の違いもあり、
鈴音と水絵の関係が段々とギクシャクしてくる。
マンションの鍵が壊されたり、鈴音が原因不明の体調不良を起こしたり、
不審な出来事も次々と起こる。
水絵の就職先はなかなか決まらない。
約束の1週間を迎えようとしたとき、水絵の子供が高熱を出した。
水絵は鈴音に居候を続けさせて欲しいと訴えるのだが……。
人は人にどれほど優しくなれるのか。
救いの手を差し伸べるのは善意からか、それとも偽善か。
揺れる心が生む傑作ミステリー!
私だったらどうするか?ドキドキしながら読み進めました。
鈴音の助ける?助けない?という心の葛藤、また水絵の連れている息子の存在。
同居了承後、段々図々しくなっていく水絵と、イライラしながらも水絵に同情する鈴音。
読んでてかなり腹が立って、一気に最後まで読み進めてしまいました。
仕事をしている側としては、どうしても鈴音の気持ちに寄り添ってしまうのですが、
腹立ちながらも水絵の気持ちもなんかわかると思わせてしまうのがこの物語のすごい所。
助けたい気持ち、損得勘定、意地悪心、被害者意識、不信感、優越感、憐れみ、自己嫌悪。
誰もが持つ、ありふれた感情が、心が痛くなるほど書かれていて、とても心に残る作品。
最初と最後にある「はぶらし」についての描写が、物語の中で光を放ちます。
読み終わり「本当だなあ、よく気がついたなあ~」と感心。みんなに読んでほしいです。
題名がいい「はぶらし」近藤史恵さんの嫌ミス。ホントイライラしますが、お勧めです。
楽天からも購入できます。

「はぶらし」近藤史恵
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「はぶらし」 近藤史恵 著2012-7436歳独身女子1人暮らし(彼氏なし)。そんな状況で10年も連絡取ってなかった友達
著者:近藤史恵
はぶらし(2012/09/27)近藤 史恵商品詳細を見る
脚本家である鈴音のもとへ掛かってきた一本の電話。それは、高校時代の友人・水絵からの助けを求めるもの。子連れで離婚。仕事もリストラされてしまった。1週間だけとめて欲しい。戸惑いながらも、水絵母子を受け入れるのだったが……
日常のちょっとした感覚の違い。それを文字通りに表すのが、タイトルである「はぶらし」。突...
14日~15日。 帯に「心理サスペンス」ってあったけど、 サスペンス・・・というより私には友情物語に感じた。 まあ、確かにちょっと怖かったかもしれないけど、 普通にありそうな感じだったんだもん。 脚本家の鈴音は、高校時代の友人、水絵に突然呼び出され、 仕…
はぶらし(2012/09/27)近藤 史恵商品詳細を見る
・・・私も断れないかも~
いや、断るしかないんだけどもね
感想はこちら⇒くりきんとんのこれ読んだ
10年ぶりに、電話がかかってきた昔の友達。友達と言っても同じクラスに
なったことはなく、なんとなく名前は覚えている程度。
そんな友達が、「一週間でいいから泊めて。」と突然夜中に電話をかけて
来たらどうだろう?
しかも、7歳の子連れである。
その友達の名は水絵。「歯ブラシ、買ったら返すから貸して。」
と言われて、「いいよ、歯ブラシくらい。」
と子供の分と水絵の分とで二本渡...
脚本家の鈴音は、10年振りに高校時代の合唱部仲間の水絵から連絡を受ける。リストラに遭い、仕事を探し続けている彼女は、1週間だけ鈴音の家に泊めて欲しいという。鈴音は躊躇うものの、水絵の息子・耕太の存在が気にかかり、彼女達親子を受け入れ共同生活を始めるが—。
文芸PR誌『PONTOON(ポンツーン)』2010年7月号〜2011年8月号に連載された作品が、加筆修正のうえ、単行本として...
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