大ベストセラーの著者と保守論壇の大御所が、
「ゼロ戦」(零式艦上戦闘機)について大いに語る。
ゼロ戦は、まさに日本と日本人を象徴する飛行機であった。
完成当時、速度、旋回性、航続距離で世界最高水準の性能をもち、
二〇ミリ機銃を備えた奇跡の戦闘機は、しかし、
不可能を可能にする代償に「防御力」を犠牲にしたのであった――
ここに日本人の国民性が見えないだろうか?
「ゼロ戦の美しさともろさ」「戦艦大和はなぜ出撃しなかったのか」
「資源のない国が人を大事にしなかった」「もし日本がミッドウェー海戦で勝っていたら」
「なぜ艦隊司令長官はみな臆病だったのか」――
大東亜戦争を検証することで、現代日本の長所と短所が見えてくる。
さらに「戦後の復興」「これからの日本」についてまで、
日本人とは何かをテーマに論じた一冊。
渡部昇一さんと百田尚樹さん、お二人の国を思う気持ちに貫かれています。
当時、最高性能を持った究極の戦闘機ゼロ戦と、実戦から美術品となった日本刀。
二つを比較しながら、共通する素晴らしさと危うさを日本人の観点から語ります。
「攻撃は最大の防御」で攻撃性能のみを追求した結果、盾の思想がないと浮き彫りに。
防御性性能を無視した日本人のこだわりと体質を言い表していました。
本書の内容自体は、日本人としての矜持を問う素晴らしい内容。
日本的なものの評価と課題を国民性の問題として率直に語っています。
特にエネルギー資源の重要さ。歴史的経緯が世界、日本に与えた影響が興味深かったです。
現代の日本が、誇りある歴史を創り上げる覚悟についても触れています。
中途半端な政治家頼み、官僚頼みにしてきたのも一因なのでしょう。なので、
一人一人がしっかり考え、説明できる自分の意見を持って、行動するのが大事ですね。
面白かったですが一部、ついていけない点もあり、評価が難しい本です。
両作家のものの見方がよく分かり、知らなかったことに対する理解が深まりました。
賛成するにも、反対するにも、今の日本人として、ぜひ読んで欲しい本です。
「ゼロ戦と日本刀」百田尚樹さんの大きな歴史観を考えるための対談と評論の一冊です。
楽天からも購入できます。

「ゼロ戦と日本刀 美しさに潜む「失敗の本質」」百田尚樹・渡部昇一
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