京極夏彦と町田尚子が腹の底から「こわい」を引きずり出す――
おばあさんの古い家で、ぼくはしばらく暮らすことになった。
その家の暗がりに、だれかがいるような気がしてしかたない。
少年が一人でお婆さんの家に引越してきます。
美しく明るいんだけど、ふと気付くと傍らで鬱蒼とした闇の広がる田舎の夏。
誰もが子供の頃感じた、とらえどころのない恐怖を描いていて、とてもスリリング。
少年の心細さ、お婆さんとの距離感、大きな古い日本家屋独特の空気。
お婆さんの顔は最後まで殆ど読者には見えません。それがまた怖いのです。
派手に叫ぶ結末ではなく、背筋がゾゾ~ッとする静かな終わり方。
恐ろしかった感覚を呼び起こされた印象。改めて日本人であることを思い知らされます。
日本人ならDNAレベルで伝わる怖さ。何とも日本の怪談です。さすが京極さん!。
この家で今後少年はどの様に成長して行くのでしょうか。?
古い日本家屋住まいなのにお婆さんは最新式の家電製品を揃えてるギャップも一興。
13匹の全部種類の異なる猫、一匹一匹のしぐさがとてもリアルに描かれています。
ここだけを読めば和めるので、猫好きの方には別の面で楽しめる絵本かも。
絵にグロさは全く無く、上品ですけど心に跡が残るような独特の怖さを感じる絵本。
古典的な怪談好きな方むけ。子供にはちょっと怖すぎる、大人でも十分楽しめる傑作です。
「いるのいないの」京極夏彦さん独特の、じわじわくる恐怖が見事に描かれています。
楽天からも購入できます。

「いるのいないの」京極夏彦
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怪談えほん (3) いるの いないの (怪談えほん3)(2012/01/28)京極 夏彦商品詳細を見る
おばあさんの家で暮らすことになった。
おばあさんの家はとても古くて、天井が高い。上の方には「はり」という太い木が渡っている。
ある日、「はり」の上の方を見ると、
おこった おとこの かおが
いる、と思うから怖いのか。いない、と思えば怖くないのか。
《あちら側》...
1人の小学生くらいの少年が、
大きなカバンを抱えて
田舎の大きな家へやってきました。
本屋さんの絵本コーナーで見掛けまして、買おうかなとも思ったのですが買いませんでした。
だってこわいから…。
孫とおばあさんの、よくありそうな、どこか素っ気ないやりとり。子どもの言葉に大人はあんな風に返すよなー、と思いながら読み進めるとどどーん。
ほんとにこわかった。
子どものときに読んだなら、ひとりで留守番できなくなったかもしれない…。でもこんな本も子どもの...
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