「それが、それだけが、私の唯一の望み──」
ある一つの望みを未来に託し、ジョルジュ・サンドは永遠の眠りにつく。
その昔、彼女は滞在していた古城で美しいタピスリーに魅入られた。
そこに描かれた貴婦人が夜ごとサンドの夢に現れ、震える声で語りかける。
「お願い、ここから出して」と──。「貴婦人と一角獣」に秘められた物語が今、幕を開ける。
■『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞を受賞したアート小説の旗手・原田マハの書き下ろし。
中世ヨーロッパ美術の最高傑作「貴婦人と一角獣」の謎に迫る。/
「貴婦人と一角獣」のカラー図版掲載。/ジョルジュ・サンドの短編も収載。
NHK「日曜美術館」で作品を解説していた原田マハさんのタピスリー題材の小説本。
「貴婦人と一角獣」のタピスリーとジュルジュ・サンドの関わりを描いた中編小説です。
疫病を逃れ子供達とブサック城に寄寓したサンドは壁に懸ったタピスリーに魅せられます。
描かれた貴婦人は誰なのか、夢に現れるその人の願いを聞き届けることはできるのか。
15世紀に作られ、石造りの古城に掛けられたタピスリーを背景に繰り広げられる物語。
いったいどれだけの人の思いが、このタピスリーに込められているのだろう。
神秘的でちょっとぞっとするような独特の世界観。謎めいたまま小説は終了。
少々、物足りなさが残りますが、引き続き続編が書かれるとのことで期待が膨らみます。
ジョルジュ・サンドの短編がついていたので、ドキュメンタリー的な側面も。
タピスリーの存在を世に知らせようと努め、晩年まで気にかけていたことがわかりました。
タピスリーが全部載っています。装幀も美しい本です。所有する喜びを感じさせます。
思いついたときに時々開いて眺めたくなる、そんな気持ちにさせる本です。
「ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言」原田マハさんのアートものに期待しています。

楽天からも購入できます。


「ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言」原田マハ
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ユニコーン―ジョルジュ・サンドの遺言(2013/09/26)原田 マハ商品詳細を見る
装丁も美しく、ちゃんと貴婦人と一角獣のタピスリーもカラーページで紹介されてます。
実話をもとにフィクションで書かれてます。
私、美術ってよくわからないのですが、
これは、カラーページで見てもうっとりと美しいタピスリーなんですね〜〜
wikiにも写真付きで説明がありますのでよろしければ→貴婦...
20日~21日。 原田マハさんの最新作。 そしてお得意(?)の美術モノ。 うぇ~~、何かスッキリしねぇ~~って思ったら、 これ、続編が出るのね。 どうりで短いし、謎だらけだった。 プロローグ的な感じなのかも。 中世の最高傑作「貴婦人と一角獣」のタペストリー…
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