〝直木賞受賞作〟『花まんま』や、〝涙腺崩壊〟のキャッチフレーズ『かたみ歌』で、
読者の涙を誘った短編の名手・朱川湊人が、
家族と写真にまつわるちょっぴり不思議で哀しいお話をお贈りします。
二〇一二年秋に、三十九年の長期連載が幕を閉じたミステリ界の巨人・佐野洋氏の連載「推理日記」で、
設定の妙を大絶賛された、UFOをでっち上げた同級生の美人の女の子の身の上話「飛行物体ルルー」、
とある事故をきっかけにして、優しかった近所のおねえさんの
意外な一面を見てしまった少年の淡い慕情の顚末「コスモス書簡」、
ぶっきらぼうで、口より手が先に出る不器用な父と、その父に寄り添うように暮らす聡い男の子、
そして同じボロアパートに、とある事情で身を隠すように暮らすことになった〝私〟との
心の交流を描いた「スズメ鈴松」、
ほのかな想いを寄せながら亡くなった同級生の想いが、
不思議なカメラに乗り移ってもたらされた写真にまつわる奇妙な出来事「黄昏アルバム」、
小学生の男子四人でつくった秘密基地にまつわる哀しい過去を巡る表題作「サクラ秘密基地」など、
夕焼けを見るような郷愁と、乾いた心に切ない涙を誘う、短編を六本を収録。
昭和30年代~40年代の話が圧倒的に多い朱川湊人さんの著書。
私も年代的には近いので、今回も素直に感情移入して読める短編集でした。
悲しい、切ない、恐ろしい、気持ち悪い、可笑しい、温かい。いろんな話が詰まってます。
どの作品も結末は総じて暗く、哀しく、読後感も決して良いものだけではないです。
ですが、どこか郷愁を感じてしまうのが不思議です。朱川マジックといえるでしょうか。
ジャンルとしてはホラーなのかもしれませんが、単に怖いだけではないのが流石です。
ほのぼのとした昭和にあった懐かしさや切なさ、ノスタルジーを感じる短編集です。
昭和30年代や40年の頃の時代にタイムスリップしたい人にはオススメの本です。
「サクラ秘密基地」朱川湊人さんらしい、奇妙でノスタルジックな短編集です。
楽天からも購入できます。

「サクラ秘密基地」朱川湊人
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