淫靡な宝石に恋する女、自らの幼児体型を哀しむ養護教諭、美しい顔の男を「夫」にした女、
おじさまに「連れ去られた」少女、“眠り姫”という綽名の病んだ女子大生―
恋の痛みと愛の毒が満ち溢れる、R-18文学賞受賞作家が描く6つの純粋な欲望。
官能をテーマに女性の視点から性を描く短編集です。胸に突き刺さる物語ばかりでした。
単純に興味本意で手に取ったのですが、思っていたよりもショッキングな内容でした。
普通の小説のように何気なく始まり、唐突に卑猥なシーンが展開します。
キャラクターあるいはシチュエーションのどこかが病んでいたり歪んでいたりします。
環境や生まれもっていた資質によって歪まざるを得なかった女たち。
とてつもなく素直で真っ直ぐな少女もいますが、状況がひどく歪んでいたりするのです。
中には目を背けたくなる展開のものも沢山。生理的に読むのが辛い場面もありました。
ラストで求めても求めて決して得られない、とても重くて暗い愛の不毛に愕然とします。
読んでいて、自分の心の傷をかきむしっているような気持ちになる話が多かったです。
性描写のある小説を読んで、悲しく辛く気持ち悪くてやりきれずに泣いたのは初めてです。
これからお読みになる方は、ある意味、覚悟をもって読まれることを前置きしておきます。
「官能と少女」宮木あや子さんの苦い毒の本。今井キラさんのイラストも合っています。
楽天からも購入できます。

「官能と少女」宮木あや子
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官能と少女 卑猥な宝石に惹かれた女、幼児体形の教諭、テレビの中の夫を愛する女、性的な触れ合いを拒絶する女、おじさまに「誘拐された」少女、心を病んだ女子大生。 R‐18文学賞受賞作家が描く6つの純粋な欲望。 ◆◆◆ 宮木さんの本はこれで3冊目ですが、見事にどれもこれも全く違いますね。 仕事系、時代系ときて、これは官能系でしょうか。 エロティックというより、生々しく思春期ならではの鋭さを持って描...
私もちょうど先日この本読んだところです!
本当になんというか、心の傷をかきむしられるような、ちょっと目を背けたくなる描写も結構ありましたね。
個人的にはこんな作品も書かれるんだ!と驚きでした。
宮木さんの本はまだ3冊目なので、これからもいろいろ発掘していくのが楽しみです^^