本屋大賞を受賞した東川篤哉さん。
お待ちかねの新シリーズは、なんと本格ミステリーと魔法の融合!?
39歳独身の美人刑事《八王子市警の椿姫》こと椿木綾乃警部と、
椿木警部に罵られることを至上の喜びとするその部下、小山田聡介。
八王子市警の名コンビが勇んで出向く事件現場には、
いつもなぜか、竹箒を持った謎の三つ編み美少女がいて――。
本格ミステリーのトリックと、抱腹絶倒の掛け合いが
最高の化学反応を起こすユーモアミステリー。
毒舌美少女マリィ、結婚願望を捨てきれない椿木警部と、
どMな部下小山田刑事と、三者三様の強烈なキャラクターにも注目です。
美貌で美脚。傍若無人のキャリア系女子・椿木綾乃警部。
実はキレ者?それともただの変態?小山田聡介刑事。
魔法使い少女マリィ。待望の新シリーズSTART!謎と魔法のユーモア・ミステリー。
「魔法使いと逆さまの部屋」「魔法使いと失くしたボタン」「魔法使いと二つの署名」
「魔法使いと代打男のアリバイ」の中編4作を収録。
魔法使いが、現実世界の事件に絡んだミステリ。
4作どれも倒叙形式と呼ばれるタイプ。犯行現場や犯人を初めに描く形式です。
パターン化した会話や展開、キャラを押し出した雰囲気は『謎解きは~』に似ています。
まず魔法使いで気になり想像していた方法、魔法で解決するという物語ではないです。
冒頭で大半がわかるため、彼女の存在が読者の推理を邪魔することも皆無です。
魔法はいわばアクセント。語りきれない部分のショートカット的な役割という感じ。
倒叙形式は洞察力に優れた主人公が犯人の言動の綻びから推理・捜査し解決するパターン。
今回は魔法使いの魔法で平凡な刑事が犯人を知り得てしまうという特殊な形式を採用。
その後は刑事たちによる普通の解決編を展開するためミステリの面白さは成立しています。
トリックや伏線はしっかりしているモノが多く、楽しめました。
メインであるはずの魔法使いが解決へのきっかけだけなのは、もったいない印象。
かといって魔法を存分に発揮したらミステリの楽しみが薄れそうで、ジレンマを感じます。
ただ、その魔法で犯人を刑事の元まで連れてきたり、口を割らせたりすることがあります。
ミステリとしてアンフェアな部分はないはずですが、この部分は抵抗を覚えるかも。
ですが定評ある伏線の使い方は倒叙形式で向上。アリバイ・トリック崩しの楽しさは十分。
聡介と椿木警部の関係は正直どうなのと思ったりもしますが、ソレもありなのかなぁ?。
毎回々々ベタなギャグが繰り広げられるイメージの東川篤哉作品。今作も同様でした。
これはシリーズ化を前提に書かれていると思います。この巻はキャラの紹介って感じです。
今後の展開が気になります。というよりも、今後のほうが本筋になりそうと思います。
この先で魔法使いとミステリが、うまく馴染んでいくことに期待したいです。
タイトル元ネタはフィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。
映画化した「ブレードランナー」はカルト的な人気ですが、全く関連なしです。
「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」東川篤哉さんの第2弾が楽しみな作品です。


楽天からも購入できます。



「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」東川篤哉
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『謎解きはディナーのあとで』や鯉ヶ窪学園のシリーズなどで、国分寺、国立、立川という国立と言う地名を作ったあたりを舞台にする事が多い東川篤哉の新しいシリーズものは舞台が八王子と中央線を西に移動した事になるわけですが、舞台を西に移しただけではなく、魔法使いの少女がレギュラーに、魔法使いの相棒の刑事は熟女好きのドM、アラフォーで婚期に危機感がありすぎる美貌の持ち主のドSな上司が基本セットの、ミステ...
東川篤哉著。
タイトルは完全にモジリ優先で、内容とはほとんど関係なかったです。
魔法少女お手伝いさんとかあざといなぁと思ってたけど、椿木警部の方がインパ
クトありました。
今後、三角関係的なシリーズ展開になるのだろうか。
魔法はかなり限定的で、いかに斜め上の魔法の使い方を見せるかがシリーズ
の肝かな、と思います。
特に野球勝負は意味不明で面白...
魔法使いは完全犯罪の夢を見るか? 作者: 東川篤哉 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/09 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (18件) を見る 割とありふれたワンアイデアを一編のミステリに薄く引き延ばすという、有栖流創作法の実践。 こ
著者:東川篤哉
魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?(2012/09/28)東川 篤哉商品詳細を見る
39歳独身の美人刑事・椿木綾乃と、彼女にののしられることに喜びを見出す小山田聡介。八王子署の名(?)コンビが遭遇する事件には、なぜか竹箒を持ち、三つ編みの美少女家政婦がいて……
という連作短編集。全4編を収録。
うーん……ある種のワンパターンミステリーということなのだろうか?
...
(パンフレットより)
ユーモアミステリーの旗手、東川篤哉の最新作は、なんと魔法使いもの!
刑事との愉快な掛け合いと、魅力的な謎が詰まった中篇集
[C19583]