著者略歴
1941年生まれ、アメリカ・ニューヨーク州出身。
ホワイトハウスのインターン、ニューヨーク・ポスト紙の記者などを経てシナリオ・ライターとなり、
共同で脚本を手がけた『シルクウッド』でアカデミー賞にノミネートされる。
以降、脚本家・映画監督として次々とヒット作を送り出し、ラブ・コメディの女王と呼ばれた。
アカデミー賞は計3回ノミネートされている。2012年、急性白血病のため逝去
『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』などの人気映画監督
ノーラ・エフロン×阿川佐和子(訳)で贈るつぶやきエッセイ。
人気映画監督の日常的なつぶやきの中に、人生の真理が見えてくる…。
今朝、NHKの情報番組「あさイチ」の特選エンタで中江有里さんが紹介していた本です。
上記以外に「恋人たちの予感」の脚本家でもあるのが、ノーラ・エフロンさんです。
ニューヨーカーらしい洒脱なセリフ、皮肉のきいたクールな演出、
ドライで毒とユーモアがあるけれど、根底に乙女心と愛のある傑作を作っています。
そんなオシャレな「できる女」がどんなエッセイを書くのかと思ったら本音トークが炸裂。
世の中は強気の中高年女性が闊歩していますが、どこか無理している気がしていました。
自分(および世の中年女性)の首のたるみ、バッグの中が整理できなくてメチャクチャ、
歳をとることがステキだなんて冗談じゃない、等々、辛辣な自虐と本音が飛び出します。
阿川佐和子さんの翻訳がとても自然で素晴らしいです。引き込まれました。
下世話な部分に適度に通じユーモアもあり、文体にイヤミがなくて適任です。
仲の良い友達とお茶を飲みながら愚痴を言い合っているような、楽しい感じです。
爆笑につぐ爆笑で、ノーラ・エフロンさんが目の前で話しかけているかのようでした。
なんだかホッとしてしまい、老いについて無闇に怖れる気持ちもなくなりました。
最後の章は女性の親友の死について書かれていて、ほろりとしてしまいます。
老いることを悲しみ嘆くよりも精神が熟していくことを知るのが本当に素晴らしいです。
嫌でも死を意識する日々になることがわかりました。楽しんで生きていきたいものです。
「首のたるみが気になるの」ノーラ・エフロンさんの人柄がわかる素敵なエッセイです。
遺作となった映画は『ジュリー&ジュリア』です。

楽天からも購入できます。


「首のたるみが気になるの」ノーラ・エフロン/阿川佐和子翻訳
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