「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ(アスキー・メディアワークス刊)のオフィシャルブック。
作品中で紹介されている12本の古今東西の名作タイトル(長編は一部、短編は全篇)を収録。
「ビブリア古書堂」店主・栞子さんが触れている世界を体感できる、ビブリアファン必携の1冊。
今では手に入りにくい作品や、冒頭を読んでみたいという欲張りな方にオススメです。
巻末には、三上延氏の書き下ろしエッセイを掲載。
「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズで重要な役割を担う物語の数々。
そこから全編あるいは抜粋で、3巻までの作品を一堂に集めたアンソロジーです。
収録作品
「それから」夏目漱石
「ジュリアとバズーカ」アンナ・カヴァン
「落穂拾い」小山清
「サンクチュアリ」ウィリアム・フォークナー
「せどり男爵数奇譚」梶山季之
「晩年」太宰治
「クラクラ日記」坂口三千代
「蔦葛木曽棧」国枝史郎
「ふたり物語」アーシュラ・K・ル・グイン
「たんぽぽ娘」ロバート・F・ヤング
「フローテ公園の殺人」F・W・クロフツ
「春と修羅」宮沢賢治
全文掲載は「ジュリアとバズーカ」「落穂拾ひ」「たんぽぽ娘」それ以外は部分抜粋です。
既読本を考えると抜粋箇所は抜粋した側の意図、読む側の希望が合っているかは微妙です。
便乗して拡大する往年のカドカワ商法を髣髴とさせるマーケティング手法に感心しました。
こういう本があればと思っていたので納得。シリーズの世界が拡がる愉しい一冊です。
シリーズに登場する作品の手触りなどを、ざっくりと知りたいなら手頃かもと思います。
やはり特筆するのは「たんぽぽ娘」。深い余韻を残す、とても暖かいSF短編でした。
「ジュリアとバズーカ」はアナーキーで凄かったです。「落穂拾ひ」は地味な佳作。
ビブリア古書堂店主の栞子さんが触れている世界を、ほんのり感じられました。
作者の三上延さんの随筆もこれらの収録作品を愛しているのが、よくわかります。
たぶん、収録作品の好き嫌いは人それぞれの感受性によって違うのでしょう。
「栞子さんの本棚」三上延さんの本棚ですね。抜粋の作品は全文を読みたくなりました。

楽天からも購入できます。

「栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック」三上延
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