第48回吉川英治文学賞受賞作品!
1000万人が感動した加賀シリーズ10作目にして、加賀恭一郎の最後の謎が解き明かされる。
悲劇なんかじゃない これがわたしの人生。極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。
夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。
数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが…。
今回も仁義と人情に溢れた作品です。引き込まれ一気に読み上げました。
加賀恭一郎シリーズ最新作。今までの集大成としても非常に読み応えのある一冊でした。
このシリーズは本格犯人当てから倒叙ものまで幅広いミステリーの様式で書かれています。
今回は初めから犯人が分かっているのですが、倒叙とは違う内容になっています。
犯人の過去の出来事を謎に据え、殺した理由に主眼を置いたプロット型のサスペンスです。
当初、加賀でなく警視庁捜査一課に所属する加賀の従弟・松宮が物語を牽引していきます。
加賀は所轄の刑事として一歩引いた補佐的な立ち位置で、今までとは正反対の関係です。
序盤に物足りなさもありましたが、刑事として松宮が成長していることがうかがえます。
成長した従弟を信頼し、警視庁を所轄の立場から支える加賀らしい姿勢で良かったです。
良くも悪くも東野圭吾推理作品らしく、トリックの解明は相当難しいと思えました。
「白夜行」のような雰囲気もあるストーリーは、いわば女性版現代版「砂の器」です。
過去のシリーズで散りばめていた加賀に纏わるエピソードも無理なく回収されています。
生い立ちの謎や疑念を払拭して驚きました。加賀の母親の謎も明らかになりました。
最初からここまで考えていたとは思えませんが、ストーリーテラーぶりが凄いです。
唯一の謎は「眠りの森」のヒロイン浅岡未緒との哀しい恋の行方がどうなったのか、です。
明らかにされないまま、看護師・金森登紀子との恋を予感させる結末になっているのです。
想像ですが、弁護側の情状証人として出廷したことが原因で所轄に異動になった事で、
これ以上迷惑をかけたくないと思った未緒から別れを告げられたとも考えられます。
未解決なのはこの部分だけなので、それを含めて続編が書かれる事を期待しています。
本作はミステリーとしても面白かったし最後は感動。読後数日は余韻を引きずりました。
「祈りの幕が下りる時」東野圭吾さんが親子の絆を作者独特の個性で表現した感動作です。

楽天からも購入できます。

「祈りの幕が下りる時」東野圭吾
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東野圭吾 「祈りの幕が下りる時」読了。
「麒麟の翼」に続く加賀恭一郎シリーズ10作目。
6月に入ったばかりは、今月こそは、
読み終えた本は全て記録に残すぞ{%力仕事webry%}
と思っていたのに、まだ1冊もUP出来ていない。
6月に入り既に数冊読み終えているのに…。
本来は、それほどかっちりとしたシリーズもののキャラクターではなかった、加賀恭一郎シリーズの最新刊になります。
シリーズキャラクタ―としては、初登場の大学生時代の『卒業』は別とすれば、基本的には優秀な刑事という立ち位置を説明しなくてもすむという役割のためにシリーズキャラクタ―になったという加賀ですが、『新参者』『麒麟の翼』と下町の日本橋署に異動してからは、どんどんキャラクターとして掘り下...
祈りの幕が下りる時 東野圭吾
講談社
2013.12.02
東野圭吾、やればできるじゃん
面白くてページを繰る手がとめられない。
まぁ、「そんな理由で人一人殺しちゃうの?」とか。
加賀恭一郎の母の人生とか。
なんとなく腑に落ちないところも多々あって。
読後感、「物足りない」だったりもするけれど。
久しぶりに東野圭吾面白かった。
よかった
祈りの幕が下りる時
(2013/09/13)
東野 圭吾
商品詳細を見る160.祈りの幕が下りる時/東野 圭吾
2013年も、あと少しでしたが、
やってしまった・・・
なかなか、読書をする時間が無く、
読むペースも遅いのですが、
読みたいと思う本はたくさんあり、
フラリと本屋に立ち寄っては、本を買ってしまう病の私は、
今現在でも、未読の...
加賀刑事のシリーズの最新刊――といっても、単行本が刊行されたのはもう4年前のことのようです。
特に最近のこのシリーズは、ミステリーとしての内容も加賀刑事個人の物語も面白いので、とても楽しめます。あっという間に読み終えました。
ネタバレありますので、ご注意を。
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