前作で大暴れした魔法使いのマリィと、八王子署の変態刑事、小山田聡介が帰ってきました!
小山田邸で家政婦として働くことになったマリィ。
家事をしながら、聡介の持ち帰る事件に首を突っ込む。
「また殺人事件? 犯人が誰かぐらいは、魔法で教えてあげられるわよ」
「いや遠慮する。いつまでも怪しげな魔法に頼ってばかりじゃ、刑事として情けない」
拒絶されながらも聡介のために箒で奔走するマリィ。
そして、マリィの三つ編みが青白く光るとき、かならず騒動が……!
また殺人事件?犯人が誰か、魔法で教えてあげる!八王子署のエース、小山田刑事の秘密。
それは―自宅に魔法使いが棲んでいること。目指せ逮捕!今回の愉快な犯人たち。
タレントの密会写真をもみ消そうとする、芸能事務所社長、
手抜き工事された恨みを晴らしたい建築士、
生活苦にあえぎ、親戚の遺産を狙う推理作家、
テナントビルから追い出された、紳士洋品店の店主。
禁断のユーモアミステリーシリーズ、第二弾。
第一話「魔法使いとすり替えられた写真」第二話「魔法使いと死者からの伝言」
第三話「魔法使いと妻に捧げる犯罪」第四話「魔法使いと傘の問題」
魔法使いマリィと小山田刑事シリーズの二作目です。文芸誌掲載の四編を収録しています。
一作目と同じく古畑任三郎や刑事コロンボのように犯人が分かっている倒叙形式の短編集。
犯人へと近づいていく状況を追いかけていくので、ドキドキハラハラできます。
ファンタジー要素もありますがオールマイティーでなく、きちんと線引きされています。
魔法で自白をさせたり追い掛けるのはできますが、それ以上はミステリーゆえに制限。
ですので、マリィの魔法使いらしさは限定的なものに抑えられています。
また事件の背景や小さな皮肉、考えられたアリバイなど軸の部分はきちんとミステリー。
強引な解釈もありますがリアリティーよりもアイデア重視の倒叙の展開が面白いです。
特徴であるユーモアも、著者ならではのクスリとさせられる楽しさがあります。
気になっていたマリーの年齢が明らかになります。伏線が活きるラストに感動しました。
書名の元ネタは同じ題名のドラマかな。でも汚職事件ものです。以下出演者・敬称略。
役所広司、大竹しのぶ、山本未来、古尾谷雅人、真田広之、黒田福美、阿藤海、本田博太郎。
ミステリー好きには近年あまりない倒叙もの・刑事ものを気軽に楽しめる好シリーズです。
「魔法使いと刑事たちの夏」東川篤哉さんの倒叙短編集。ラブコメ要素もあって愉快です。


楽天からも購入できます。

「魔法使いと刑事たちの夏」東川篤哉
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東川篤哉著
文藝春秋
「魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?」
2012年発行
「魔法使いと刑事たちの夏」
2014年発行
東川篤哉氏のミステリを読むのはこれが初めてです。
もちろん有名作家でお名前はいつも見かけていたし、
ドラマになったお嬢様と執事ものもテレビでちらとは見たのですが、
キャラ先行型で内容はあまり面白くないミステリを書くひとと
勝手に思い込んでいました。
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魔法使いと刑事たちの夏 東川篤哉
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東川篤哉著「魔法使いと刑事たちの夏」
八王子署の刑事・小山田聡介の家には、家政婦がいる。
実は、この家政婦さん…、正真正銘の魔法使い・マリィなのです!!
第一話「魔法使いとすり替えられた写真」
芸能人のスクープ写真を狙うカメラマン、藤﨑健二が殺された。
殺したのは芸能プロダクションの女社長・月丘智子。
彼女は、所属タレントのスキャンダルを守るため、藤﨑を殺したのだ。
...
拝見させていただきます