あたしは、世界でたった一人のあたしの味方なんだから。
浪費、整形、ホスト・・・・・・女の業を体現し続ける作家・中村うさぎと、
“女戦線"からの離脱を切に願う“隠遁女子"作家・三浦しをん。
ともに女子校に育ち、だけど歩んできた道は正反対。
そんな2人が、長い漂流の先に見つけたものは──。
美人か、ブスか。美醜という基準は、女子の生き方をとても縛るものだよね。
女子って「でも、ブスじゃん」の一言で、そこまで積み上げられてきたものが、
すべて台無しにされる感ってあるから───中村うさぎ
出家制度がもっと根付いたら楽なのにって最近よく思うんです。
「大変残念ですけど、モテとかそういう文脈からは脱落させていただきます」っていうことを、
もっと分かりやすく、世間に示す制度があっていいんじゃないかって───三浦しをん
方向性は違っても高い知名度と才能があるお二人による興味津々のガールズトーク対談。
三浦しをんさんは直木賞作家でもあり、ベストセラーを連発する売れっ子作家です。
エッセイを読むと近所の面白いお姉さんのように思えますが、実際は絶妙な書き手です。
中村うさぎさんは買い物・ホスト・整形が有名。最近ではご病気などの話題が多い印象。
作家・エッセイストの知名度も高く、エッセイもどこまでも冷静で文章に説得力があります。
そんな中村うさぎさん・三浦しをんさん、お二人の赤裸々トーク。
才能も経済力も、平均的な女性の何倍も持っているお二人ですら、
あえて、だからこそ、今の日本は生きにくいのです。それはお二人が「女性」だから。
読み進むと意外に共通点が多いお二人。作家、女子校、漫画好き、汚部屋、などなど。
互いのリスペクトも感じます。ぐいぐい系のうさぎさんとオタクを赤裸々に語るしをんさん。
本題の、なぜ女性はこんなにも生きづらいのか?ということについて、
さほど深刻にならず、本音で話をしているところに好感が持てます。
正直で読者への配慮に手を抜かず、豊富なボキャブラリの表現力はさすが物書きと感心。
赤裸々で驚く箇所もありますが、下品になっていないのが好ましいです。
共感できる部分があり、ちょっと引いてしまう部分もあり、納得する部分もありました。
色々考えさせられることも多いです。思い当たる事柄の箇所に笑えて肩の力が抜けました。
わたしだけじゃないんだ、抱え込むことなかった、もっと外向きに発散すればよかった、と。
何となく「生きづらさ」を感じている女性には大きなリラックス効果があると思います。
「女子漂流」中村うさぎさん、三浦しをんさんの本音満載の赤裸々トークが楽しい対談集。

楽天からも購入できます。

「女子漂流ーうさぎとしをんのないしょのはなしー」中村うさぎ・三浦しをん
思い当たる方の、同じ記事の再送付をお待ちしています。