江戸が明治に改まって20年。
煉瓦街が並び、アーク灯が夜を照らすモダンな銀座に、掘立小屋のようにして建つ派出所あった。
そこで勤務する巡査の滝と原田は、市民から持ち込まれる相談事の解決に奔走するが、
そこには、明治の世では消えてしまったと思われている妖たちが跋扈していた!
摩訶不思議な妖怪ファンタジー
文明開化の世の中で、妖たちはどこ行った?
「江戸が終わって20年。妖たちが、そう簡単にいなくなると思うかい?」
煉瓦街が広がり、アーク灯が闇を照らす銀座に、ひっそりと佇む巡査派出所。
そこに勤務する原田と滝は、“かまいたち”に襲われた者や、
瞬く間に成長を遂げる女の子の世話など、不思議な対応に追われてばかり。
それらは、とてもこの世のものとは思えず…。摩訶不思議な妖怪ファンタジー。
【目次】
第一話 煉瓦街の雨
第二話 赤手の拾い子
第三話 妖新聞
第四話 覚り 覚られ
第五話 花乃が死ぬまで
江戸から明治へと時代は変わって20年くらい経過した東京での出来事という設定です。
文明開花で彩られた銀座の街は、まだ大正ロマンが訪れる前の明治モダンな風情。
でも明るく華やかになった表通りから少し横丁に足を延ばせば闇に動めく魑魅魍魎がいます。
百賢こと百木が営む牛鍋屋に集う巡査の原田と滝を始めとする登場人物たちの往来。
二人の巡査を主人公にして、個性的な街の住人達が織り成す5つの妖怪ファンタジーです。
レトロな洒落っ気に加えて、妖しくおどろおどろしい、不気味な雰囲気も漂います。
それぞれ人物に魅力はあるものの、他のシリーズの様な人物の説明がないのが謎です。
不親切ではなく敢えてそうしているのでしょう。近い形としてはハードボイルドかな。
続編でそうした疑問を明かすという構造になっているのかもしれないです。
ストーリー自体は面白かったです。怖くて何処かおかしくて哀しく、少しホロッとしました。
これまでの作品と違って、どちらかというと大人向けの作品、という印象を持ちました。
一方で「しゃばけ」に通じる温かさもあり、登場人物たちの今後がとても気になる作品です。
「明治・妖モダン」畠中恵さんの、残った疑問を解き明かす続編に期待しています。

楽天からも購入できます。

「明治・妖モダン」畠中恵
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畠中恵 「明治・妖(あやかし)モダン」
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感想
面白かった。
明治の時代、人々の中に隠れ住んでいる妖…
しゃばけシリーズの妖はどこか暢気で抜けていてずれている
ような感じなのだけれども、この小説の中の妖は少し違う。
明治の世を人の中に交わり、人と変わらないように
人と違うところの無いように隠れ住んでいる。
...
明治・妖モダン著者: 畠中恵出版社: 朝日新聞出版価格: ¥ 1,512発売日: 2013/09/06売上ランキング: 16731 江戸が終わって20年。 明治の世の中、 夜も明るく照らされるようになった。 妖たちは、いなくなった? というわけではないようです・・・。 「しゃばけ」シリーズの畠中さんの、 妖怪ファンタジーです。
明治・妖モダン
(2013/9/6)
畠中恵
更地にビルディングが生え、
道が延び、橋が延び、
強い灯りが夜を光らせる。
街は生き物の如く変化する。
ならば人は。住まうものたちは。
街に蠢くのは、誰なのか。
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