Entries

ロック母 角田光代

装幀は山田拓矢。短編小説集。
ゆうべの神様:醜悪な両親と人々。現状から逃げたい高校生の私マリコの苦悩。
緑の鼠の糞:暑い。バンコクを南下した街で会ったコウちゃんは籠の鳥を放とうと。
爆竹夜:旧正月の上海。誰もが傍若無人。苛立たしい気分のぼくは、たくらみを。
カノジョ:畠田大介との同棲生活。茸、蝿…奇怪な出来事は前妻みよ子の?
ロック母:出産のため故郷の島へ。母は爆音で要塞作り。私はシングルマザーに。
父のボール:坂を転がる不幸説の父の臨終。怖さ恥ずかしさの回想と憎しみ。
イリの結婚式:ウイグルでガイドアミナさんと運転手孫くんが諍い。甦る婚約解消。

1992年「ゆうべの神様」(芥川賞候補作)から2006年までの7編を収録。
始めの三つは、どうしてこんなにいびつなんだろうって息苦しさを。
後のは恋愛・家族もので読みやすく面白く。
「カノジョ」(2002)はホラー仕立ての日常に渋味。
「ロック母」(2005)はほのかに「八日目の蝉」とつながる感じ。
「父のボール」(2006)は死後の展開が読ませる。
「イリの結婚式」(2007)は民族間の軋轢と異なる価値観からの憎しみの重なり。
でも違いは違いのままで成立するラストが爽やか。
好きなのは「カノジョ」以降の順です。
角田さんは途中から読み始めたのでわからなかったのですが…、
あとがき、2006年「ロック母」の川端康成文学賞受賞で
十年以上もの苦悩が間違ってない、無駄ではなかった気持ち。
この先もその苦悩を抱き続けられる喜び。
“私はこの、迷える足跡をこそ、1冊の本にまとめたかったのだ。”。
まさに書き読み打ちひしがれの遍歴をまとめた短編集。
迷い、不安、絶望は書くことでしか何も解決されないと思っている
角田さんの自負と矜持が伝わってきました。
ページ部分まで真っ黒で、まるで喪中のような装丁に納得。
付箋が緑なのが潤いを?。
笑いのツボは一分間一万語攻撃、エコエコアザラク、母はニルヴァーナでした。
関連情報 角田光代の読了本
・・ドラママチ 角田光代
・・夜をゆく飛行機 角田光代
・・12星座の恋物語 角田光代 鏡リュウジ
・・薄闇シルエット 角田光代
・・八日目の蝉 角田光代
・・予定日はジミー・ペイジ 角田光代
・・三面記事小説 角田光代
関連情報 読了本から角田光代の短編収録アンソロジー
・・「Teen Age」角田光代・瀬尾まいこ・藤野千夜・椰月美智子・野中ともそ・島本理生・川上弘美
・・「Vintege’06(ヴィンテージ・シックス)」石田衣良、角田光代、重松清、篠田節子、藤田宜永、唯川恵
・・「クリスマス・ストーリーズ」奥田英朗、角田光代、大崎善生、島本理生、盛田隆二、蓮見圭一
ロック母ロック母
(2007/06)
角田 光代

商品詳細を見る

ロック母
角田 光代
4062140330

ロック母 (講談社文庫)
角田 光代
4062766701

ロック母 角田光代
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://1iki.blog19.fc2.com/tb.php/260-7f67369d

トラックバック

[T2468] ロック母(角田光代)

ロック母 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/06 メディア: 単行本 角田光代の最新作は、1992年から2006年までの代表的な短編を収録した、著者の作品の遍歴をあらわしたような短編集である。 芥川賞候補作となった「ゆうべの神様」(1992)は、どこかコ

[T2600] ロック母 角田光代

川端康成文学賞受賞作「ロック母」を初め、1992年から2006年に渡って書かれた短編七編を収録。表題作でもある「ロック母」では、身重で久しぶりに帰郷してみれば、狂ったようにロックを聴ききまくっている母の変化に戸惑いながらも、どこかしら共感している娘の...

[T2676] 「ロック母」感想  角田光代

真っ黒い表紙から、なんとなく、ダークな感じが漂っていた「ロック母」最新作なのかな? とにかく最近(2007年6月)出版されたばかりの角田さんの本。内容は面白く読んだ作品も多かったものの、ただ、正直、あまり好きな内容ではありませんでした。

[T2771] ロック母  角田光代

前々から読みたいと思っていた角田さんの短篇『ロック母』を収録した単行本がようやく刊行され、待ってましたよと手に取った次第です。この本にはその『ロック母』を含め、1992年~2007年の間に書かれた短篇が全部で七つ入っています。通して読むと、どんどん巧くなってい..

[T2796] ロック母

川端賞受賞作品(「ロック母」)収録1992-2006芥川賞候補作品から川端賞受賞作品まで15年にわたる代表的短編小説7編を収録この短編集には、1992年から2006年までに書いた小説がおさめられている。これほど時間差のある小説をまとめて本にするのは、私にははじめてのことで

[T2875] 「ロック母」角田光代

ロック母角田 光代1992年芥川賞初候補作品「ゆうべの神様」から2007年「イリの結婚式」まで7つの短編集。短編集ではありますが、とても個性の強い物語たちで読むのに時間がかかりました。初期の角田さんをまだあまり読んでいないのですが、主人公が高校生の「ゆう

[T3090] 「ロック母」角田光代

ロック母予約が回ってきて、図書館に受け取りに行ってぎょっとしました。真黒な本なのです。表紙だけじゃなくて上から見ても下から見ても横から見ても真っ黒。そこに銀色の「ロック母」の文字があるのです。かっこいいけれど、もしや究極の黒角田??とおののきつつ本を....

[T3327] 「ロック母」 角田光代

ロック母角田 光代 講談社 2007-06売り上げランキング : 38802Amazonで詳しく見る by G-Tools内容説明【川端康成文学賞】身重で帰ってきた娘を迎えたのは、毎日ニルヴァーナを大音量で聞く母だった…。「ロック母」ほか、ぐれた娘が家に火を放って逃亡する「ゆうべの神様」

[T3610] ロック母

角田 光代単行本: 262ページ 出版社: 講談社 (2007/06) ISBN-10: 4062140330 ISBN-13: 978-4062140331 発売日: 2007/06 クールな漆黒の装丁。見えるところすべてが真っ黒!中身を象徴しているようでワクワクしながら読み始めたワタシ。1992年(角田さん25歳)芥川賞候補とな

[T3611] 三面記事小説

角田 光代単行本: 260ページ 出版社: 文芸春秋 (2007/09) ISBN-10: 4163263403 ISBN-13: 978-4163263403 発売日: 2007/09 うっすらと記憶にあるような6つの事件…それぞれの新聞記事に角田さんが肉付けするという短編集。まずこの試みが斬新で非常に興味を覚えました。日

[T3757] 角田光代【ロック母】

1992年から2006年までの短編小説7編を収録。 「ゆうべの神様」 「緑の鼠の糞」 「爆竹夜」 「カノジョ」 「ロック母」 「父のボール」 「イリの結婚式」「ゆうべ...

[T4010] ロック母*角田光代

ロック母(2007/06)角田 光代商品詳細を見る【川端康成文学賞】身重で帰ってきた娘を迎えたのは、毎日ニルヴァーナを大音量で聞く母だった…。「ロック母」ほか、ぐれた娘が家に火を...

[T7154] ロック母<角田光代>-(本:2008年141冊目)-

ロック母 # 出版社: 講談社 (2007/06) # ISBN-10: 4062140330 評価:90点 92年の芥川賞候補作「ゆうべの神様」から2006年の第32回川端康成文学賞受賞作である「ロック母」までの短編小説7編を収録してある。 いつものとおり、押さえた文体なのだが内容は強

[T10076] ロック母

内容(「BOOK」データベースより) 芥川賞候補作品から川端賞受賞作品まで15年にわたる代表的短編小説7編を収録。

[T14970] ロック母/角田 光代

ロック母 (講談社文庫)(2010/06/15)角田 光代商品詳細を見る 初期作品、収録。とのこと。 エグい。 精神的に落ちているあたしには、楽しめな...

コメント

[C3187]

藍色さん、こんばんは♪
さすがに十年以上も発表時期に開きがある短編集なだけあってバラバラな印象も受けますけど、それぞれの短編がぎっしりとしてて読み応えがありましたよね。直しを入れてないぶん、一編ずつ面白さが増していく感じもあって、とても面白い短編集だったと思います。

[C3194]

juice78さん、こんにちは。
新聞によると15年分の中から選ばれたらしいです。juice78さんは、たぶんほとんど読まれてるとのことで、歩みを実感されて感慨もひとしおだったのでは?。ひとつひとつしっかりと輪郭があって、いい読み応えでした。そうそう、一編ずつ面白さが増していく感じもあって、よかったです。

[C3342]

おはようございます。藍色さん。
後半に進むのつれて、だんだん共感の湧く作品に変わってきました。
「ロック母」笑えました。そして、最後には泣けました!
  • 2007-07-14 09:30
  • ゆう
  • URL
  • 編集

[C3374]

ゆうさん、こんばんは。
前半はつらかったですね。だんだん読みやすく共感が持てるようになったのは私だけじゃなくて安心しました。
「ロック母」不思議な設定でしたけど、だんだん笑えて最後に泣けて、さすが川端康成文学賞受賞作でした。

[C3474]

藍色さん、こんばんは!
私は角田さんファンなのですが、この本は、ちょっとダークな感じで、あまり好きな内容ではなかったです・・・。
だからと言って面白くなかったわけでは無くて、面白く読みました。

そういえば、今晩10時からNHKで、角田さんと、しをんさん等が旅行するのかな・・・?そういう番組があるそうです。
今日、お友達から教えてもらったんです、ご存じだったらすいません^^

[C3482]

latifaさん、こんばんは。
ダークでしたね~。面白かったんですけど手放しで笑えないような物語が多かったですね。
角田さんの短編を収録しているアンソロジーのリンクをつけたんですが、これらだったら前向きで楽しめたと思います。でもあとがきから感じたんですが、今回はあえて苦闘の跡がわかるようなのを選ばれたような気がします。
あ、今晩10時からそういう番組が!…知らなくて記事を書いてたので見逃しました(涙)。もっと早くコメント見なきゃ、でした(汗)。そういえば角田さんって昔バックパッカーだったんですよね。内容を簡単でいいので、教えてもらえたらうれしいです…。

[C3485]

藍色さん、こんにちは。
そうですか、ちょっとタッチの差で見逃してしまったんですね。
でも、そんなに凄く見る価値?がある番組には思えなかった気がしましたよ・・。
それじゃ、ちょっとだけ、説明を^^
角田さんは、イタリアの山にトレッキング。綺麗な山で、日本語を話せるイタリア人の優しそうな、山のプロのおじさまと2人で登って行かれました。
しをんさんは、バリのアグン山を目指すも、相当険しい道のりで、途中までで頂上までは行かず。
村上さんだけは普段も馬が大好きで乗り慣れているという事もあってか、モンゴルで馬と大地とを満喫されていらっしゃいました。
私は作家としては、前者の2人の方に興味があって見たものの、この企画の中の3名の中で一番良かったのが、村上さんでした。

[C3493]

latifaさん、こんにちは。
早速昨晩の番組内容、教えてくださってありがとうございます。
角田さんはイタリアの山、しをんさんはバリのアグン山、村上さんはモンゴルで馬と大地…なるほど~。作家さんの番組ってほとんど見ることがないので、やっぱり見たかったです。あ、村上さんって由佳さんですね。あれ、村山由佳さんでしたっけ。あるいは村上龍さん、村上春樹さん…(なぜか混乱??)。

[C3501]

あ!ごめんなさい、言葉足りずでした。
村山由佳さんです☆

[C3510]

latifaさん、こんばんは。お手数おかけしました。
村山由佳さんですね。すっきりしました♪。

[C3607]

月日と変化を感じさせる作品でしたね。その中でも前3作とその後の違いは大きかったと思います。
その間には『空中庭園』という作品が存在するのですが、やはりそれが一つの転機なのかなと思いました。
  • 2007-07-31 01:06
  • たまねぎ
  • URL
  • 編集

[C3612]

たまねぎさん、こんばんは。
角田さんの歩んできた足跡を感じました。やっぱり前3作とその後は違いが大きいですね。
あぁ、『空中庭園』未読です。転機になった作品みたいですね。ちょっと気になります。

[C3635]

藍色さん、こんばんは。

前半はやっぱり息苦しい感じでしたよね。
結構みなさまそう思われてたようで、ちょっぴり、ほっ。

でも角田さんの歴史みたいのが垣間見れて興味深かったです。

[C3666]

ちきちきさん、こんばんは。
そうそう、みなさま、前半の重さ息苦しさは感じられていて私も同感です。
角田さんの苦闘の歴史と矜持がわかるみたいでしたね。興味深かった、ということは、たぶんこれからも読まれるということですよね。安心しました(角田さんの回し者じゃないですけど、笑)。

[C3769]

私も前半3つは、初期の角田さんらしい(って事は私にとっては読みにくいって事なんですけど)作品だなぁって思ってたのですが、みなさん同じ感想をお持ちのようでホッとしました。

[C3779]

ななさん、こんばんは。
前半3つ読みにくかったですね。初期の角田さんって純文学に近かったみたいで意外な発見でした。エンタメ方向に来てくださってよかったです。

[C4082]

私も前3作が、「カノジョ」のあたりで変わったと思ったんですが、
みなさんそう思ってたんですね。
一人の作家さんの足跡を追うのも楽しいって思ったんですが、
こんなにもくっきりと時の流れが出るものなのですね。

[C4105]

juneさんへ。
作風の変化はやっぱり「カノジョ」のあたりですよね。みなさんそうみたいです。
楽しい作品がいっぱいあって(上記リンク参照)やめることもできたのに恥ずかしい作品をあえて入れた角田さん。成長のあとがうかがえてよかったです。

[C4450]

こんにちは。コメント連投すみません<(_ _)>
黒い頃の角田さんからのファンですが、やはり最近の穏やか路線のほうが好みですね~初期のは読んでて気持ちが落ちます。感情移入しすぎなのかも^^;

[C4461]

まみみさんへ。
こんばんは。コメント連投へのお気遣い、ありがとうございます。
角田さんのファン歴、長いんですね。こうして昔からのを読むと、やっぱり最近の穏やかな作品の方が好きです。初期ので気持ちが落ちる…危ないです。感情移入のしすぎには気をつけてくださいね。

[C5519]

人間は誰しも歪んでいるもので
歪んでいるからこそ人間臭くもあるのだということを思い知らされるような物語たちでした。
初期の歪み方はハンパじゃないですね。
わたしも最近の少し丸みを帯びてきた角田さんの方が好みです。
  • 2007-12-27 20:20
  • ふらっと
  • URL
  • 編集

[C5523]

ふらっとさんへ。
上達と変化に気をとられていて、一貫している歪みへの着眼に驚きでした。
そして、歪んでいるからこそ人間臭くもあること、納得です。
初期の歪み方は、ある意味、鬼気迫るような怖さも感じました。
最近はテーマによるコントロールもよく効いている印象です。
でも『三面記事~』がすごかったので油断はできませんね。

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

自動更新など

検索とお気に入り

風のようにうたが流れていた DVD-BOX


楽天からも購入できます。
風のようにうたが流れていた DVD-BOX
アマゾンの人気商品
ゲーム、本、おもちゃ、家電・カメラ、スポーツ&アウトドア、ホーム&キッチンのベストセラー1時間ごとに更新
こんな本が売れています。
文学・評論のベストセラー1時間ごとに更新


るろうにほん 熊本へ


米澤穂信と古典部


マスカレード・ナイト


星野源雑談集1


騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編


700番 第二巻/第三巻


コンピレーション・アルバム

蜜蜂と遠雷 音楽集


陸王


追想の探偵


羊と鋼の森


カエルの楽園


また、同じ夢を見ていた


女子的生活


村上春樹とイラストレーター -佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸-


しんせかい


蜜蜂と遠雷


あの家に暮らす四人の女


アンマーとぼくら


コロボックルに出会うまで 自伝小説 サットルと『豆の木』


コンビニ人間


海の見える理髪店



まことの華姫


君の膵臓をたべたい


楽天

希望荘


バベル九朔


東京會舘とわたし(上)旧館


教団X



文学効能事典 あなたの悩みに効く小説



ポイズンドーター・ホーリーマザー



掟上今日子の挑戦状


楽天

サブマリン


楽天

かがやき荘アラサー探偵局


僕は小説が書けない


楽天

THE IL BISONTE BIBLE (バラエティ)


ポーラースター ゲバラ覚醒


ワーグナー : 楽劇4部作 「ニーベルングの指環」 全曲 (Richard Wagner : Der Ring Des Nibelungen / Hans Knappertsbush, Bayreuther Festspiele, 1957) [13SACD Hybrid] [Box Set] [Limited Edition] [歌詞対訳付き解説書付属]


N響 プロムナード・コンサート


日本の伝統行事 Japanese Traditional Events


世界で一番美しい猫の図鑑


楽天
「JORGE JOESTAR」舞城王太郎/荒木飛呂彦
小説講座 売れる作家の全技術(仮)」大沢在昌
すごい本。

ミステリーの書き方

楽天

私がデビューしたころ (ミステリ作家51人の始まり)

楽天

この作家この10冊


安心安全なアフィリエイト
チャペルを大通りで探す
02/04まで

カテゴリー