「おまえはちがうから。この家から出ていくことを考えろ」
三年前に急逝した兄・雄一と最後に交わした言葉。
兄は微笑を浮かべていた。
大企業のオーナーである西尾木家に後妻の連れ子として入ったものの、
疎外感の中で暮らしてきた弟の敏也は、いまだにその真意が分からずにいた。
ある日、偶然兄に内縁関係の妻子がいることを知った敏也は、
妻・千秋が末期癌であることを突き止める。
千秋の死後、六歳になる娘の結希を引き取ることにした敏也。
だがなぜか、兄を溺愛したワンマン社長の父や一族には、
そのことを一切知らせずに暮らし始めた……。
敏也の真意とは? 静かな感動が胸を打つ著者渾身の家族小説!
表紙だけ見ていると不穏な印象でした。導入部は胡散臭さが満々の感じでした。
大崎梢作品としては珍しく、悪意を書いていく展開かもと思いましたが、
実は隠されていたことがありました。突拍子もない話ではなくミステリー要素もあります。
始めは単なる持ち駒に過ぎなかったものが、いつの間にか大切な存在に変わっていた。
そうした変化はありがちと言えばありがちだけど、優しく素直な感じで好感が持てます。
登場人物もひとり一人深く描かれていて、魅力的です。
デビュー時のティーン向けのイメージから、だいぶ一般向けにシフトしている感じです。
善意ある愛すべき人たちの心の温度の過程も読み取ることができました。
最後まで読み終わって、読後はこころが清々しさで満たされました。
「空色の小鳥」大崎梢さんのやっぱり丸くて柔らかい感触のお話でした。
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「空色の小鳥」大崎梢
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空色の小鳥 - 17~18日。 久々の大崎さん。 読みやすく面白かったけど~。 「おまえはちがうから。この家から出ていくことを考えろ」 三年前に急逝した血の繋がらない兄・雄一と最後に交わした言葉だった。 大企業のオーナーである西尾木家に 後妻の連れ子として入…
空色の小鳥 -
面白かったけど、ちょっと物足りないかなぁ
感想はこちら⇒くりきんとんのこれ読んだ
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