お父さんも、お母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、
娘も、息子も、お姉ちゃんも、弟も、妹も、孫だって―。
ぶつかり合うのは、近いから。
ややこしくも愛おしい、すべての「わが家」の物語。
同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。
褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。
こんな風には絶対になりたくない――だけど、
気にせずにはいられなかった。 (「妹」という祝福)
息子が小学校六年生になった年、
父親中心の保護者会「親父会」に入った、大学准教授の私。
熱心な担任教師に恵まれて、順調に思われた日々の裏には、
とんでもない秘密が隠されていて……? (タイムカプセルの八年)
すべての「わが家」に事件あり。
ややこしくも愛おしい家族の物語、全七編!
姉と妹、姉と弟、母と娘、父と息子、祖父と孫。どれも家族の関係にまつわる七短編です。
それぞれにいろいろな事情を抱えていて、トラブルに巻き込まれたりもします。
さまざまな家族のさまざまな関係を、とても深い描写で綴っている愛の物語集です。
反抗期や喧嘩の多い思春期の中高生、子育てに悩んでいる父親や母親にも読んでほしいです。
それは家族愛や絆の大切さを訴えているから。家族間で受ける失望、喪失、怨恨などの思い。
それらがある時間を経て愛、希望、笑いなどに変化していく様を淡々と描いているのです。
作品に登場するさまざまな家族。争うこともあるし、時には傷つけあうこともあります。
場合によっては、かけがえのない家族だからこそ許せないことも出てくることでしょう。
けれど、家族だからこそ心を寄り添わせることもできるし、許すこともできるのです。
思春期女子特有の心情を、女性の立場からするどく描写していて、すごく共感がもてます。
家族のぶつかりあいや憎しみあいを通して家族の大切さやすばらしさを教えてくれています。
いずれも最後は暖かい気持ちで終わりを迎えるのは、やはり辻村深月さんの人柄でしょう。
家族がどんなに大切でかけがえのないものであるかを、改めて教えてくれました。
それぞれの家族の中に過去も現在も未来も、すべてあると感じさせてくれる一冊です。
読後は穏やかなぬくもりが感じられて、やさしい気持ちになれる作品たちが詰まっています。
「家族シアター」辻村深月さんの色々な視点から家族を見つめ直し再認識できる短編集です。

楽天からも購入できます。

「家族シアター」辻村深月
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家族っていいよね~
感想はこちら⇒くりきんとんのこれ読んだ
家族シアター - 9~12日。 7つの家族をテーマにしたアンソロジー。 どの物語も辻村さんらしくすごく良かった。 「「妹」という祝福」」 姉・由紀枝の結婚式に一つ下の妹・亜季は、 由紀枝からの手紙を見つける。 中学校の時、由紀枝はマジメで亜季はイケてる妹だっ…
家族ならではの些細な蟠りは遠慮なし!
家族シアターposted with amazlet at 14.11.13辻村 深月 講談社 売り上げランキング: 9,795Amazon.co.jpで詳細を見る
家族シアター 辻村深月
お父さんも、お母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、娘も、息子も、お姉ちゃんも、弟も、妹も、孫だってー。ぶつかり合うのは、近いから。ややこしくも愛おしい、すべての「わが家」の物語。(BOOKデータベースより)
【目次】
「妹」という祝福/サイリウム/私のディアマンテ/タイムカプセルの八年/1992年の秋空/孫と誕生会/タマシイム・マシンの永遠...
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