答えてください。
娘を殺したのは私でしょうか。
東野圭吾作家デビュー30周年記念作品
『人魚の眠る家』
娘の小学校受験が終わったら離婚する。
そう約束した仮面夫婦の二人。
彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前。
娘がプールで溺れたー。
病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。
そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。
過酷な運命に苦悩する母親。その愛と狂気は成就するのか。
愛する人を持つすべての人へ。感涙の東野ミステリ。
こんな物語を自分が書いていいのか?
今も悩み続けています。 東野圭吾
心臓の停止が「人の死」と決まっていたシンプルな時代を経て、心臓が動いていても死んでる
「脳死」という概念の確立以来、答えの出ない問題となった「人の死」ということについて、
先端技術に理性と感情、文学の力で真正面から挑み、一つの形を示した傑作だと思います。
もちろん、それは一つの形であって、答えではないことも作品はしっかりと語っています。
「自分の家族が脳死状態に陥ったら、どう受け止めどう決断するのか」という問題について、
様々な考え方が、押しつけがましくなく理屈がましくなく、リアルさを持って迫ってきます。
第五章の後半は今までの読書体験の中でも、指折りに迫力ある忘れられない場面でした。
ミステリー要素や今までの東野ワールドとは異なる等の観点で評価するのは違うと思います。
本書はエンタメではなく、読者に問いかけをする異色の問題提起小説でした。
先端技術の適用が相応しい場合もあれば、苦悩し紆余曲折して結論を出すべき場合も。
登場人物たちが悩んだ結果導き出した結論と、それまでの思考経路は納得できるものでした。
「死」「母の愛情」「家族」という問題について考えさせられる圧倒的な文学と思いました。
エピローグの神秘的な結末は登場人物、読者や作者までみんなが救われたように感じました。
「人魚の眠る家」東野圭吾さんの大きすぎる問題に挑んだリアルで切ない作品です。

楽天からも購入できます。

「人魚の眠る家」東野圭吾
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★★★<5段階評価>
内容紹介(Amazonより)------------------
娘の小学校受験が終わったら離婚する。
そう約束した仮面夫婦の二人。
彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前だった。
娘がプールで溺れた―。
病院に駆けつけた二人を待っていたのは残酷な現実。
そして医師からは、思いもよらない選択を迫られる。
過酷な運命に苦悩する母親。
その愛...
人魚の眠る家 - 10~16日。 東野圭吾さんだから、 てっきりミステリーかと思ってたけど違ったわ。 そして脳死という重いテーマ。 娘の小学校受験が終わったら離婚する。 そう約束した和昌と薫子の二人。 彼等に悲報が届いたのは、面接試験の予行演習の直前。 娘の瑞…
人魚の眠る家 -
テーマが重いわ
感想はこちら⇒くりきんとんのこれ読んだ
267.人魚の眠る家/東野 圭吾
いやー・・・文庫化待てなかった
少し前に、
東野 圭吾さんの作品『あの頃ぼくらはアホでした』を読んだ際に、
『人魚の眠る家』、『ラプラスの魔女』といった、
新作は文庫化待ちと書いたばかりですがね・・・
フラッと立ち寄ったいつもの書店屋さんにて、
特売日という事もあって、
手にとってしまいました
私自身、
東野圭吾...
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