弟が失踪した。彼の妻・楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だった。
楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である弟の家族に近づく。
兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、時が経てば経つほど、彼女に惹かれていく。
始めは、獣医なのにペットのオーナーに対して冷ややかに対応している主人公にリアリティ。
でも実は少しエッチで惚れっぽく、すぐ嫉妬して心配する30代男性のキャラが意外でした。
「こういう性格づけは珍しい」「今までのと違ってコミカル」と思いながら読み進めました。
サヴァン症候群、フラクタル図形、ウラムの螺旋など、読み進めると次々と謎が現れます。
興味をそそる題材がいっぱいです。それらが複雑で、なかなか解決しないのです。
とても歯がゆくてジレンマでした。もっと先を読み進めてみたい気持ちになりました。
この主人公の世俗的なキャラクターは、理性よりも欲望が上回ることが多々あります。
ですから、主人公に感情移入できれば楽しさ倍増となるのでしょうけれど、できなかったら、
拒否反応するのは仕方ないかもと言えそうです。面白いのに評価が低くなるのは残念です。
東野作品のファンは、従来の主人公のようなストイックさを求めているのかもしれないです。
そうした意味で、あえて共感しにくい主人公で読者にチャレンジしているとも考えられます。
解明されていない部分が多い脳について大胆な仮説を立てストーリーと組み合わせています。
こうした設定やジャンルは東野圭吾さんの得意な部分ですが、今回も興味深かったです。
犯罪のカギが素数の秘密という点もすごく新鮮です。ラストで、すべての疑問が一気に氷解。
まったく気づかず、犯人もすごく意外感がありました。読後の爽快感はすごかったです。
ミスリードの仕方と、伏線の回収の鮮やかさは相変わらず職人芸だなあと思いました。
幅広いジャンルの小説を書けるのがすごいです。今回も変化があって面白かったです。
題名の「危険なビーナス」は誰の心にも存在しそうで、人とは限らないのかもしれないです。
弟の妻は「危険なビーナス」東野圭吾さんの読後の爽やかな感じが独特の一冊でした。

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「危険なビーナス」東野圭吾
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弟が失踪した。彼の妻・楓は、明るくしたたかで魅力的な女性だった。
楓は夫の失踪の原因を探るため、資産家である夫の家族に近づく。
兄である伯朗は楓に頼まれ協力するが、
時が経てばたつほど彼女に惹かれていく。
内容(「BOOK」データベースより)
危険ではありません。
本書は失踪した弟を、その新妻とともに探す男のお話し。
信頼の『東野圭吾』ブランドではありますが、
珍しく...
危険なビーナス 東野圭吾
講談社
2017.5.5
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東野圭吾、どーしたんだろー…
主人公の獣医が、助手も患者さん(というか飼い主)も
とにかく自分の周りのあらゆる女性を性的な目で見てるのが
気持ち悪い…
東野圭吾がそーゆーヒトなのか…
タイトルと煽り文句でのミスリードもなんとかならないのかなー…
想像はいい意味で裏...
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