東京の半グレ集団、美人ジャーナリスト、消えた幼馴染み、
そして平凡な大学生……
誰が味方で、誰が敵か。手に汗握る青春ミステリー!
大人になって探す埋蔵金は、冒険ごっこではすまないのかもしれない
ケンカ別れした幼馴染みの伯斗が数年ぶりに晶良の前に現れた。
幼い頃に夢中になった「埋蔵金が眠る幻の村を探そう」と言う。
かつて祖母からこっそり手に入れた幻の村の地図。それは晶良と伯斗
の友情の証、二人だけの秘密の冒険だった。今になって一体なぜ?
わだかまりを感じながらも、半信半疑で再び幻の村を目指そうとした
矢先、伯斗の消息が途絶えてしまう。さらに“お宝"を狙う連中が
晶良に迫り……。幻の村とは? 伯斗の目的は本当に埋蔵金だったのか?
タイトルと表紙から書物を探す話と思って読み始めたら、埋蔵金探しの話でした。
最初から最後まで緊張感あるストーリー。スピード感があってすいすい読めました。
埋蔵金調査のサークルに入っている普通の大学生の晶良が、幼なじみの伯斗に誘われます。
最初は視点が晶良になったり伯斗になったりして読み難かったです。でも慣れました。
埋蔵金の眠っている幻の村を探す夢のある冒険譚かと思っていたら意外な展開です。
暴力団とか振り込め詐欺グループの仲間割れによる不穏なトラブルも絡んで物騒な話に。
登場人物の中で誰が味方なのか敵なのか混沌としてきます。疑いながら読み進めました。
この誰を信じていいか分からなくなるサスペンス要素もあり、ハラハラドキドキでした。
前半はこの展開に面白さを感じ、興味を持てました。後半は展開が早くどんどん読めました。
ソフトな感じの読み心地は大崎梢さんの持ち味と認識していますが、いつもと違った作風で、
大崎梢さんにしては珍しく暴力と殺人が重く、結構ハードボイルドで現実的な事件でした。
どちらかといえば書店を舞台にした穏やかな作品が好きなので、始めは戸惑いも感じました。
大崎作品としてはずいぶんダークな描写がありましたが、それも想定外で楽しかったです。
世の中、因果応報だなぁって感じました。読み終えた最後はハッピーエンドでよかったです。
今までほのぼのミステリーが多かった大崎梢さんの特徴ですがバリエーションも大切ですね。
こんなお話の引き出しもあったんだと意外感に手応えを覚え、最後のページを閉じました。
「誰にも探せない」大崎梢さんの映像化したらさらに面白そうな、新境地の作品です。

楽天からも購入できます。

「誰にも探せない」大崎梢
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