明治になって20年、江戸とは地つづき時つづき―。
滝と原田は、東京・銀座に勤める巡査二人組。
女学生美人くらべの顛末や正体不明の石、競馬場での殺人、
と日々さまざまな謎の解決に奔走するこの二人、
時折、人ならざるものの気配を見せるのです…。
にぎやかなキャラクター達の織りなす楽しさ、軽妙さに加え、
恐ろしい妖の要素で背筋がぞくっともさせられる、
「明治・妖モダン」シリーズ絶好調の第2弾!
明治21年の東京・銀座。巡査の滝と原田は、
日々持ち込まれる事件や相談事の解決に奔走する熱血漢コンビ。
だがこの二人と仲間たち、
時折何やら人間離れした「妖(あやかし)」の姿をも見せるのです……!?
不忍池の競馬場、女学生と結婚事情、頼母子講+宗教的な集まりなどなど、
明治の風俗がたっぷり楽しめる、1話完結の痛快な謎とき短篇集。
さらに全編を通して、
廃仏毀釈によって消えた寺と仏像の大きな謎もドラマチックに描かれる会心作です。
<目次予定>
序
第一話 赤手と菜の花
第二話 花乃と玻璃
第三話 モダン 美人くらべ
第四話 闇の小道
第五話 上野の競馬
第六話 祟り、きたる
終
シリーズ二作目です。謎だらけだった登場人物たちの正体がここで明らかになっていきます。
今回は一話ごとに完結する短編集ですが、連作短編で話の流れが繋がっていく展開です。
今回の滝さん原田さんは、幕末の廃仏毀釈の嵐が吹き荒れた後の哀しい事件の謎を追います。
行方不明の五仏と僧侶にまつわる祟りの噂を軸に銀座煉瓦街の面々が巻き込まれる6つの事件。
どうして登場人物たちの素性がはっきりしないのか、などの答えも、しっかり出ています。
登場人物の正体も徐々にわかり、さらに人ならぬものが正体を表してきます。
文明開化の頃の洋館とか街灯とか、人間じゃないものがでてきそうな雰囲気が強くあります。
銀座の派出所から眺める人波の中に、本人さえも気づかずに妖が混じってる世界観。
人ならぬ者達が人の世の理のなかで生きている姿を想像すると楽しいです。
でも妖よりも、やはり身勝手な人間の業というものが怖い。世の理を崩すのだなと感じます。
少しずつ登場人物の個性が見えてきたり、取り巻く状況が見えてきたりしています。
やっぱり誰が何なのかっていうことが、ある程度、はっきりしたことですっきりしました。
登場人物が増えて、誰が誰だか少し混乱しつつも、最後はきれいに終わってひと安心。
意味不明が何箇所かあったので読み返したら、また新たな気付きがありそうです。
前回に引き続き、百木屋さんの牛鍋は相変わらず美味しそう。食べに行ってみたいです。
「明治・金色キタン」畠中恵さんの明治・妖シリーズ。面白かったです。

楽天からも購入できます。

「明治・金色キタン」畠中恵
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