湘南の片隅に、見た目も実力も№1の名探偵がいる――
舞い込むのは風変わりな依頼ばかり。
地域密着型の「生野エルザ探偵事務所」、本日も来る者拒まず営業中!
東川篤哉のミステリー最新作!
“ライオン探偵”エルザと天然ボケの助手・美伽が挑む厄介な事件――
「家出した亀の捜索中に殺された銀行員が靴下を奪われた理由とは」
「老婦人を轢いた犯人はなぜ珈琲をかけて逃げた?」
「元カレと永遠の愛を誓って湘南平に取り付けた南京錠を外して」
「深夜のビーチで正面衝突したフィアットはどこへ消えた?」
――すべては依頼人のために。気高く美しく、時々凶暴な最強タッグが湘南を駆け巡るシリーズ最新作!
『小説NON』掲載。平塚在住の女探偵コンビによるミステリ連作短編集の第二弾。四篇を収録。
シリーズとなっていることがわかっていたので事件簿1に続いて事件簿2も読んでみました。
事件の状況やアリバイなど、不自然な様子から解決へとたどり着く流れが軽妙です。
ロジックの積み重ねで真実を浮かび上がらせ、そこからもう一押しの話運びも及第点。
それまでの四話をまとめるようなエピローグも、きれいに畳まれていて悪い印象はないです。
烏賊川市シリーズが有名ですが、いわばその女探偵版であり、実在の町である平塚版です。
面白いことは面白いんですが、あちらと比べるとキャラクターが立っていないのが残念。
動と静の凸凹おんな探偵コンビ二人のやり取りもそうですが、依頼者や刑事といった、
周りの登場人物たちも地味で魅力が乏しく、作品に望まれるユーモア部分も今イチなのです。
あと、エルザの容姿や性格をライオンに例える描写がややあざとくて無理がある感じです。
表現を工夫して、エルザの振る舞いや言動や雰囲気から上手に見せてほしかったです。
ライオンという言葉からイメージできるような強さや頼もしさが伝わってこないのでした。
前作もそうでしたがミステリーの良い部分をキャラクターが薄めてしまっている印象。
結果としてミステリーとキャラクターが不釣り合いなようで、その部分が気になります。
そういえば、なぜ舞台が平塚なのか?ということが最大のミステリーかもしれないです。
理由が不明のままなのです。テレビドラマ化を前提にしていてロケにも最適の場所?。
コンビ二人のキャスティングは?それらが脳裏をよぎる推理小説かもしれないですね。
「ライオンの歌が聞こえる 平塚おんな探偵の事件簿 2」東川篤哉さんに改善希望したい作品。

楽天からも購入できます。

「ライオンの歌が聞こえる 平塚おんな探偵の事件簿 2」東川篤哉
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