「魔法使いマリィ」シリーズ第3弾!
『魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?』『魔法使いと刑事たちの夏』に続く、
人気ユーモアミステリーシリーズ第3弾が登場!
魔法の力を借りつつ、八王子界隈の事件を解決してゆく
魔法使いマリィ&小山田刑事の名コンビ。
今回もアリバイ崩しに、ダイイングメッセージ解読にと大活躍だが、
ついにその「魔法」の存在を、オカルト誌に嗅ぎつけられてしまう――。
二人の、そして八王子の未来はいかに!
〈収録作〉
・魔法使いと偽りのドライブ
・魔法使いと聖夜の贈り物
・魔法使いと血文字の罠
・魔法使いとバリスタの企み
奇妙なシリーズの3作目です。犯人の視点から描くコロンボ的な倒叙ミステリーと、
魔法使いマリィと一風変わった刑事たちのユーモアな部分があわさったシリーズです。
倒叙ミステリーとしてはトリック的にも王道な展開なので倒叙好きには楽しめる作品です。
最初から容疑者の中から魔法で真犯人が分かる。これは一見安易な設定と思われますが、
これまでの倒叙形式での容疑者絞り込みの過程を省略して、いきなり警察と犯人の対決に
移行できるシステムは、短編ならではの倒叙形式の一種の禁断のテクニックでしょう。
この3作目では、ミステリー部分が弱まっています。ユーモアミステリーというよりも、
魔法使いのマリィが刑事に結婚を迫り、男がのらりくらりと逃げ回るやり取りから
少女とへたれ男のラブコメミステリーが主軸になっているような感じです。
へたれなのに頑固な男の、このあたりは昔の漫画「うる星やつら」の世界に似てるかな。
謎解きにうまく絡む篇はあったものの、ラブコメやユーモアの面ではいささか弱めです。
「さらば」というタイトル通り、これで完結のようですが、あまりに唐突な幕切れでした。
この終わり方は唐突で読後感が良くないです。帯などで彼女との別れを示唆しつつ実際には
最後の篇だけでサラッと出すだけ。しかも収まりの悪い尻切れトンボとなっています。
結婚ネタを繰り返すのではなく、こちらを中心に組み立ててほしかったと思っていたら、
2017年「オール読物8月号」で「魔法使いと幻の最終回」掲載。まだ続きそうな気配。
1冊に4話収録ペースなので単行本にするために、最低でもあと3話は読めそうです。
フェイクの?「さらば愛しき魔法使い」東川篤哉さん、これからも期待しています。

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「さらば愛しき魔法使い」東川篤哉
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魔法使いのマリィが八王子署の刑事である小山田聡介が抱える事件の解決を魔法を使って助けるというシリーズの第3弾にして最終巻?になります。
連作短編であり、事件の概要からなにから基本フォーマットはお約束の連続、八王子のローカル小ネタを挟みつつ、有力な犯人と犯人が罪をなすりつけるようにした、いかにもな容疑者、この容疑者に納得がいかなくて、調べ直そうとする時に魔法の力を借りるけれども、魔法で真...
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