善意は、悪意より恐ろしい。
足の不自由な小学生・久美香の存在をきっかけに、
母親たちがボランティア基金「クララの翼」を設立。
しかし些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、
やがて不穏な事件が姿を表わす――。
湊かなえが放つ、心理サスペンスの決定版。
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、
夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、
移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で、立場の違う3人の女性たちが出会う。
「誰かのために役に立ちたい」という思いを抱え、それぞれの理想郷を探すが――。
湊かなえさんの作品は毎回、構成が新鮮で、面白いミステリーです。
今回の作品の特徴は、主な登場人物が子供から老人までいて、女性であることです。
また、現在と過去が行き来する書き方が面白かったです。今回も毒があって良かったです。
入れ替わり立ち替わり語り手となるのは女性たちです。それぞれの思いを存分に語ります。
男性も登場しますが存在感が希薄で添え物的。登場する女性たちの心理描写が巧みです。
自己顕示欲や我がままや悪意や愚かさが繰り返されることで、
次第にフィクションとリアルの境界線を見失い、日常を重ねて、
隠している真意を露出されるような感覚に陥るかも。
日常に潜む人間関係の危うさがサスペンスとして機能し、終盤に物語が加速します。
湊かなえさん特有の、結末に向けての二転三転する謎解きに、引き込まれました。
毎回恒例化しているといえそうな、ラストのどんでん返しも好きです。
終わり方に少々無理やり感があったので、欲を言えばもうひとひねり欲しかったかな、
という印象でした。でも全体的にサラサラと楽しく読めました。
「ユートピア」湊かなえさんのウーマン・サスペンス。今回も面白かったです。

楽天からも購入できます。

「ユートピア」湊かなえ
- http://1iki.blog19.fc2.com/tb.php/2840-a71e5a61
トラックバック
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、
夫の転勤により社宅住まいをしている妻・光稀。
そして移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で、三人の女性が出会う。
自分の居場所を求めて、それぞれの理想郷を探すが―。
内容(「BOOK」データベースより)
妬み過ぎ。
内容はバッサリ略で一言、少々期待外れです。
『善意は、悪意より恐ろしい』
がテーマの様ですが、...
ユートピア 湊かなえ
地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤により社宅住まいをしている妻・光稀。そして移住してきた陶芸家・すみれ。美しい海辺の町で、三人の女性が出会う。自分の居場所を求めて、それぞれの理想郷を探すがー。
女同士の腹の探り合りみたいなのが結構ありそうな感じでした。
ただ、物語の展開とかそういうのでは、これはないだろーという箇所がちらり...
コメントの投稿