妻――それはいちばん近くて、いちばん不可解なアナザーワールド。
「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」。
ある日、六年間連れ添った妻はこう告白し、ホンモノ捜しの奇妙な日々が始まる……。
けれどいったい、僕は誰を愛してきたのだろう?
真贋に揺れる夫婦の不確かな愛情を描く表題作ほか、
無人の巨大マンションで、坂ブームに揺れる町で、
非日常に巻き込まれた四組の夫婦物語。
奇想の町を描く実力派作家が到達した、愛おしき新境地。
可笑しくてホロリと切ない四つの物語。
三崎亜記さんの最新短編集です。「終の筈の住処」「ニセモノの妻」「坂」「断層」
4組の夫婦が登場する、これら4編を収録しています。SFチックな短編集。
今回も三崎亜記さん独特の奇妙な、不思議な世界観が満載です。
ホラー的な要素の「終の筈の住処」、ホンモノの妻捜しを始める奇妙な「ニセモノの妻」、
階段主義者の登場にクスっと笑える「坂」、少し切なさが残る「断層」。
4作とも冗談みたいなことやあり得ないようなことで、現実には起こりえない物語ですが、
登場人物たちがそれらのことをとてもナチュラルに、真面目に受け止めています。
そこに公共機関が絡んでくるので情報量が増え、急いで読み進むと引き込まれにくいです。
設定の理解に苦労すると物語の世界にうまく入り込めずに読むのに疲れるかもです。
不思議な世界観を楽しむ物語なので、あまり深く考えずに読むんだほうがいいかも。
三崎ワールド全開の短編集。不思議な世界観を味わいたい方にはオススメの1冊です。
「ニセモノの妻」三崎亜記さんの四組の夫婦物語。夫たちが同じキャラみたいな印象です。

楽天からも購入できます。

「ニセモノの妻」三崎亜記
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ニセモノの妻 三崎亜記
新潮社
2016.7.26
終の筈の住処
ニセモノの妻
坂
断層
連作短編ではなく、それぞれ独立したお話。
久しぶりの三崎亜記の世界に、なんかほっとする
『断層』の仕掛けが切ない…
ニセモノの妻 -
妻がニセモノ?
感想はこちら⇒くりきんとんのこれ読んだ
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