何が“普通”になるのかは、誰にもわからないのだ。
ママ友の不倫疑惑、熾烈な保活、過酷なお受験、驚愕のお誕生会、そして―。
保育園に通う一男一女を抱える鶴峯家。
子育てにまつわる数々の試練を乗り越えられるのか!?
家族の幸せを守るべく、新米騎士ナイトが右往左往しながら奮闘中!
VERY連載時から話題沸騰!!
直木賞作家・辻村深月が贈る、子育て世代への高らかなエール!、待望の最新刊!
保活、お受験、子供同士のお付き合い、お誕生日会、ママ友、両家両親との関係…。
保育園児2人の子育て夫婦の周りにおきる現実にありそうな様々な事件にまつわるお話。
ママ友の間の噂話で誤解され孤立する母、保育園に入るための試練を描くホカツ、
名門幼稚園とお受験とお誕生日会、母親と娘の間の葛藤など、
育児経験者には「あるある」と頷ける描写が盛り沢山に詰め込まれています。
主人公ご夫婦がいい人なので、周りの悪意や不注意、偽善などが浮かび上がる構造です。
同じ主題でどろどろのドラマも出来そうなほど、どれも扱う主題は結構重いものですが、
主人公の夫・裕さんと妻の軽妙なやりとりや仲の良さで、そこはさらりと読めました。
主人公を夫で子供の父親の裕さんにしたことでママ達の世界を客観的に描くことができ、
どろどろになりそうな部分もある内容の割には軽めの作品に仕上がっていると思います。
生々しい描写もありながら、読後は爽やかな気持ちになれる作品だと思います。
微妙な心理まで細かく描いて、どのお話にも必ず軽いサプライズやどんでん返しがあり、
最後は謎解きのような爽快さも用意されているので、割り切れば読んでいて楽しいです。
ほろりとさせられる場面もたくさんあります。そういった意味では好きな本です。
VERYに連載していたということで、登場する人たち全員の生活水準が少し高めだなあ、
これがセレブか、と思う部分はありましたが、育児での悩みはどこも同じですね。
そしてジャンル的には、若い時には若い時の、年齢を重ねてからは年齢を重ねてからの、
その時々に書くのに適した物語がありそう、ということにも気付かされました。
4人家族を守る騎士「クローバーナイト」辻村深月さんの育児応援小説。これから子育てする方へ。

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「クローバーナイト」辻村深月
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