自然現象を見事に言い当てる、彼女の不思議な“力”はいったい何なのか――。
彼女によって、悩める人たちが救われて行く……。
東野圭吾が価値観を覆した衝撃のミステリ『ラプラスの魔女』の前日譚。
「ラプラスの魔女」で終盤にクローズアップされる謎の少女、円華。唐突で戸惑いました。
その前日譚の連作短編集です。女子高校生の円華の不思議な力を第三者目線で描きます。
並外れた知識と力を持つ女子高校生像に驚きつつ、ラプラスよりも人間味が見える円華。
謎の少女だった円華の過去がわかり、そこから培われた性格が掴めたのもよかったです。
筋道のたて方やまとめ方は相変わらずキレがあり、短編個々の完成度も高かったです。
4編目も前の3本と同じく1話完結かと思ったら、衝撃的な過去が描かれます。
「ラプラスの魔女」で被害にあった人物たちとの繋がりが明かされるのです。
本作のラストでは、まさに「ラプラスの魔女」の事故の詳細が明かされています。
家族愛ゆえに一家に降りかかった不幸な事故、事故について尋ねてくる男の本当の姿、
東野作品らしい人間模様をちりばめつつ、終盤に登場するフードを被った若者など、
読み終えると「ラプラスの魔女」を再読したくなる余韻が起きて素晴らしかったです。
「ラプラスの魔女」は最初の方で何かうやむやになっていることがあるとは思ってました。
それをこの「魔力の胎動」が解決して、納得と感動で、すがすがしい気持ちになりました。
「魔力の胎動」東野圭吾さんの「ラプラスの魔女」を補完する連作短編集です。

楽天からも購入できます。

「魔力の胎動」東野圭吾
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『ラプラスの魔女』の前日譚となる物語ですが、その情報をスルーして読んでいたために、尋常ではない情報処理能力を持っているために、風の動きや空気の流れを計算して予測できてしまう能力を持つ少女が登場していて、なんとなく似た設定を前に読んだことがあるような気がしていたりしたのですが、そりゃ前に目にしているはずだと読み終わってから検索して気がつきました(苦笑)
基本的には連作短編型長編作品であり、鍼...
魔力の胎動 東野圭吾
角川書店
2019.3.26
第1章 あの風に向かって飛べ
第2章 この手で魔球を
第3章 その流れの行方は
第4章 どの道で迷っていようとも
第5章 魔力の胎動
あまり覚えていないけれど、『ラプラスの魔女』の前日譚なんだろうな、
と思ったけれど。
連作短編なのか。
円華に違和感があるのは当然として、
ナユタにもすごい違和感。
なんなんだこの人物造形
実証実...
自然現象を見事に言い当てる不思議な力。
君はいったい何者なんだ?
『ラプラスの魔女』前日譚。
内容(「BOOK」データベースより)
前作が必須。
本書は不思議な《力》を持つ少女・羽原円華を描いた
『ラプラスの魔女』の前日譚。
前作で唖然とした設定を前提に(受け入れて)読めば
それなりに楽しめます。
復活をかけるスキージャンパー
ナックルボールを捕球できないキャッチャー
息子の水難事故で...
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